MLB、8、9月でも開幕は無理? トランプ大統領が希望するも、カリフォルニア州知事は否定的見解
2020/04/06
Getty Images
キャンプ地開催案も
ドナルド・トランプ米国大統領は4月4日(日本時間5日)、NFL、MLBなど米国メジャープロスポーツのコミッショナーたちと電話会議を行った。会議中トランプ大統領は、NFLは予定通り9月にシーズンを開幕するべきだとし、さらに他のスポーツもスタジアムに観客を入れた状態での通常試合開催を8月か9月に始めることを希望すると発言した。試合入場券購入や施設内売店を減税対象にすることを議会に請願することも提案したとされる。スポーツ専門局『ESPN』が会議に関係した人物の話だとして報道した。
その後の記者会見でトランプ大統領は、「できるだけ早い時期にファンをスタジアムに戻したい」、「人々はバスケットボール、野球、フットボール、そしてアイスホッケーを見たがっている」などと発言した。だが、その時期がいつになるかとの記者からの質問には、具体的な日程は答えられないが、なるべく早い時期にするべきだとした。
仮にトランプ大統領が希望するように8月か9月に開幕ができたとしても、MLBは例年のシーズン試合数の半分も消化できないことになる。
さらには、州内に3つのNFLチーム、5つのMLBチーム、4つのNBAチーム、そして3つのNFLチームを抱えるカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、9月になっても州内での大規模なスポーツ・イベントの開催は考えにくいと反応している。
以下はニューサム知事の発言の抜粋。
「ここで推測を述べるつもりはありません。ただ言えることは、少なくともこのカリフォルニア州では、イベントを開催するかどうかは事実、医学専門家の意見、われわれの開催能力、感染拡大が収まっていること、適切なコミュニティの監視、そして検査体制が確立されているかによって決断されます。現在、私は緊急事態へ対応することに集中しています。ですが、大規模スポーツ・イベントの開催があと数か月で実現するとは考えられません」
スポーツ専門ウェブサイト『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者はMLBがフロリダとアリゾナの春季キャンプ施設を使った無観客試合で2020年シーズンを行うことを検討していると報じている。同記者によれば、現在シーズンが中断しているNBAも同様のコンセプトをラスベガスで行うことを検討しているとのことだ。
トランプ大統領の電話会議にはNFL(アメフト)、MLB(野球)、NBA(バスケットボール)、NHL(アイスホッケー)、WNBA(女子バスケットボール)、WWE(プロレス)、PGA(ゴルフ)、LPGA(女子ゴルフ)、UFC(総合格闘技)、NASCAR(オートレース)、IndyCar(オートレース)、Breeders’ Cup(競馬)の代表者らが参加した。
ミーガン・ラピノーなどスター選手がトランプ大統領を批判したことで話題を呼んだ米国女子サッカー連盟(NWSL)は会議に招待されなかった。同連盟はこれを遺憾とし、今後ホワイトハウスと米国内のスポーツリーグが議論を行う際にはそれに参加したいとコメントを発表した。
角谷剛