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夢物語か名案か。MLBのアリゾナ全試合開催プランがユニークな理由 新型コロナウイルス対策のアイデア続々

2020/04/08

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アリゾナならではの地理的条件

 MLBの春季キャンプはアリゾナ州に15球団、フロリダ州に15球団と2つに分かれて行われるが、州全体に球団が散らばるフロリダ州に対して、アリゾナ州ではすべての球団施設がフェニックス市近辺に集中している。つまり球場間の移動を最小限に抑えることができる。最も遠い球場同士でも、車で1時間以内に収まるのではないか。
 
 オープン戦を開催している10個の球場が既にあるうえ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの本拠地であるチェイス・フィールドもフェニックス市内にある。これに大学野球のフィールドなどを加えれば、全30球団が一斉に試合を行うのに必要な15個の球場を確保することは十分に可能だ。そもそも無観客試合なのであれば、練習用フィールドでも試合はできる。
 
 フェニックス市ではよく大規模なビジネス・コンベンションが開かれる。そのため、市内には数多くのホテルがあるので、宿泊施設のキャパシティーには問題がないだろう。
 
 そして現在のところ、アリゾナ州が全米でもっとも新型コロナウィルスの影響が少ない地域の1つであることも大きな要素だ。CDC(米国疾病予防管理センター)による最新の公式発表では、4月6日現在におけるアリゾナ州全体の感染者は2269人。人口比を考慮に入れても、フロリダ州の1万1961人に比べると格段に少ない。
 
 フェニックス近辺の気候には一長一短がある。晴天率が非常に高く、雨で試合が中止になる心配はほとんどない。だがとくに夏の間は非常に暑く、日中の気温は40°C以上の日が続く。チェイス・フィールドが開閉式ドーム式球場なのはそのためだ。キャンプ施設はすべて屋外球場なので、少なくとも6月から9月までの間は日中に試合を組む形でのダブルヘッダーは無理ではないか。その一方で、秋冬になっても暖かいので、10月11月にダブルヘッダーを組むことも、12月にまでシーズンを伸ばすことも可能だ。

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