投球のズレを修正し、制球だけでなく球速まで取り戻した田中将大
ヤンキースの田中将大が3日のレイズ戦に先発し、6回を6安打3失点。自身に勝敗は付かなかった。立ち上がりこそ先制を許すも、打ち込まれた過去2戦から田中将大は修正してきた。
2015/07/05
Getty Images
速球の球威が戻った田中
フォーシームの平均球速は93.3マイル(約150km)。ツーシームは同92.9マイル(約149.5km)。これを直近の2登板と比較してみよう。
前回6月27日のアストロズ戦では、フォーシームは平均92.6マイル(約149km)、ツーシームが平均91.5マイル(約147.2km)。前々回6月21日のタイガース戦は、フォーシームは平均92.3マイル(約148.5km)、ツーシームが平均91.3マイル(約146.9km)だった。
球速が戻っただけではない。この日は全96球中、ストライクが69球でストライク率は71.88%。前回の同63.27%から大きく改善された。
田中はタイガース戦以降、2度の登板間ではそれぞれ2日連続でブルペン投球を行った。異例の調整方法は、まず速球の制球を取り戻すためだったとされる。自ら口にしていたズレを修正し、制球だけでなく球速まで取り戻した。
ジョー・ジラルディ監督はたえず「速球の制球。それが一番の問題だ」と繰り返してきた。そしてラリー・ロスチャイルド投手コーチは米メディアの取材に「球種の選択で問題がある。もっと攻撃的に組み立てなければいけない。カウントを自分から不利にしてしまっている」と課題を挙げていた。
立ち上がりの不安定さ、という宿題こそ残したものの、両首脳の指摘に十分すぎる結果を示したのがレイズ戦のマウンドだった。
米メディアの目はまだ猜疑的だ。各紙、論調は厳しい。もっとも表面上の結果だけでは計れない、確かな内容は田中のコメントのはしばしから感じ取ることができる。
田中は試合後、米メディアの取材にも「もちろん満足はしていません。でも次の登板に向けて、きょうは大きな前進になりました」と話している。
次回登板は中5日で迎える9日のアスレチックス戦が有力。前半戦最後の登板となる可能性が非常に高い。開幕戦黒星発進、1カ月以上のDL入りによる離脱と、ここまで四苦八苦の感は否めない。最後にすっきりとした快投を演じ、後半戦の巻き返しへ大きな弾みをつけてもらいたい。
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