新型コロナ禍でMLBはマイナーリーグへのさらなる支配力強化を目指している。野球専門サイトがレポート
2020/04/15
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MLBは強気な改革案が予想される
MLBが現在160チームの全マイナーリーグの26%減にあたる42チームを削減する計画を進めていることが昨年11月に報道され、当のマイナーリーグやその地域だけではなく、前大統領候補のバーニー・サンダースを始めとした大物政治家たちまでもが反対の立場を表明するなど、大きな社会問題にまで発展した。だが、どうやらMLBは単なるチーム数の削減に留まらず、マイナーリーグ運営に関わる広範囲な権限を手に入れることを目指しているようだ。野球専門サイトの『Ballpark Digest』が報じている。
メジャーリーグ機構(MLB)とマイナーリーグ機構(MiLB)が結んでいる現行契約(PBA)は2020年9月に失効する。その前に同契約の更新内容について両者の間で交渉が行われるわけだが、『Ballpark Digest』によれば、MLBはフロリダ州セント・ピーターズバーグ市にあるMiLBの本部オフィスを閉鎖し、マイナーリーグ運営に関する重要な決定をMLBが行うことを求めている。
さらにMLBは削減されるチームを買収することも、下のランクに移動するチーム(例えば3Aから2A)に補償することも拒否し、球場施設改修のみは負担する意向らしい。
「MLBとMiLB間の交渉に詳しい関係者」の情報によると、マイナーリーグが来シーズン以降も独立採算制を維持できる可能性は“50-50”だということだ。MLBが行うであろうとされる他の提案内容は以下の通り。
・MLB直営リーグを現行のルーキーリーグから2A、3Aレベルまで増やす
・マイナー球団が契約するメジャー球団を変更することを禁止する
・メジャーリーグとマイナーリーグの経営をMLBが一括して行う
こうした改革案によって、MLBが持つチケット販売システムや顧客マーケティングに関する膨大なデータをマイナーリーグの経営に活用できるようになる。だがその反面でマイナーリーグの独立性は大きく失われる。