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大物代理人スコットボラス氏、ワクチンを「待ってはいられない」。韓国とシンガポールの対策を踏襲したMLB開催の段階的アプローチを提案

大物代理人として知られるスコット・ボラス氏が、ニュース専門放送局『CNBC』のインタビュー番組に出演し、MLBの2020年シーズンを開催する方法について、自らの考えを語った。

2020/04/24

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カリフォルニア開催案「全米でもっとも医療レベルが高い」

 MLBは2020年シーズン開催に向けていくつかの選択肢を検討していることは認めているが、それらは未だにアイデアの段階に留まり、正式な決定は何一つ下されていないとコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は声明を発表している。
 
 MLBの検討案の中にはアリゾナ州のみの集中開催、あるいはアリゾナ州とフロリダ州に分かれて開催するアイデアが含まれていることが報道されているが、ボラス氏はカリフォルニア州でシーズンを開催することを提案している。
 
 「カリフォルニア州には数多くの球場があり、それらはすべて車で5、6時間の距離にあり、なによりも全米でもっとも医療レベルが高い」とボラス氏は言った。
 
 カリフォルニア州は米国の他地域と比較すると、新型コロナウイルスへの感染率と死亡率が比較的低い数値に留まっている。ボラス氏は全米のウイルスによる死亡者の61%が6つの州(ニュージャージー、ニューヨーク、マサチューセッツ、ペンシルバニア、ミシガン、ルイジアナ)から出ていることを指摘した。
 
 だが、それはカリフォルニア州がウイルス対策を早く始め、そしてそれを厳格に運用しているからであって、同州のギャビン・ニューサム知事はスポーツ・イベントを開催することにきわめて慎重だ。
 
参照記事:MLB、8、9月でも開幕は無理? トランプ大統領が希望するも、カリフォルニア州知事は否定的見解
 
 ロサンゼルスのエリック・ガルセッティ市長も市内での多人数イベントを2021年まで禁止する準備を進めていると報じられている。
 
 その意味ではボラス氏が提案するカリフォルニア州でのシリーズ開催が実現する可能性は低いと言えるだろう。
 
 それでもボラス氏はアメフトやバスケットボールなどコンタクトがある他の人気スポーツと比較し、野球は安全な距離を保ってプレイすることができるスポーツであると強調する。そしてMLBがテレビ放映される唯一のメジャースポーツとなる期間中、全米での視聴率は記録的な高さになるだろうとの予測も述べた。
 
 
角谷剛

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