MLBオールスターでもレジェンドと肩を並べるイチロー 今年の日本人選手の選出は?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、MLBオールスターにおける日本人選手の選出についてだ。
2015/07/08
Getty Images
実力や人気、様々な要素がそろうことが選出のカギ
日本人でオールスター戦に選出されたのはこれまで12人。これを年代順に並べてみた。
野茂英雄は1995年、鮮烈なデビューを果たし、オールスターでも先発登板した。以後、しばらくオールスター戦に出る選手はいなかった。
2001年、シアトル・マリナーズのクローザー佐々木主浩と外野手のイチローが選ばれる。イチローはデビュー年、「打てばヒット」という活躍で両リーグ通じてファン投票の得票数1位で選出された。イチローはその後も10年連続選出。しかも2005年を除いてファン投票。圧倒的な人気を誇っていた。この間に長谷川、松井秀喜、斎藤隆なども選出される。
2007年の岡島秀樹は最後の一人(当時は「32番目の男」)としてファン投票で選出されたが、出場せず。オールスターでは出場機会がないこともしばしばある。それでも選出回数にカウントされる。
2012年以降は投手陣が選出されてきたが、今年は望みは薄い。唯一の希望は青木宣親だが、故障者リスト(DL)入りしているために難しそうだ。
オールスター戦は、主として前半戦の成績で選ばれる。また派手な活躍をした選手が選ばれがちだ。
2年目以後6回も2ケタ勝利を挙げた野茂英雄は、選ばれることはなかった。黒田博樹、松坂大輔はMLBで2ケタ勝利をマークしながら1度も選ばれなかった。
オールスター戦は、運や人気など実力以外の要素も大きく作用するのだ。
NPB同様、インターリーグ(交流戦)が始まってからオールスター戦の希少価値は目減りした。また近年は、巨額の複数年契約を結んでいる選手を球団がオールスター戦に出場させたがらない傾向が目立つ。怪我でもされたら元も子もない、ということだろう。選出されてから故障などを理由に辞退する例も多い。
色褪せた感があるのは否めないものの、アメリカで野球をするすべての選手にとって、オールスター出場は、大きな目標であるのは間違いない。
今年は現地時間7月14日(日本時間15日)に開催される。どんな伝説が生まれるか、注目したい。