史上初の2年連続球宴MVP トラウトは球界の顔としての『ジーターの後継者』
MLB球宴の主役はマイク・トラウトだった。16年ぶりの初回先頭打者本塁打を放ち、史上初の2年連続MVPに輝いた。実力のみならず数字に表せない部分も含め、彼こそデレク・ジーターの後継者としての球界の顔だ。
2015/07/16
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MLB球宴で史上初の2年連続MVP
第86回MLBオールスターゲームは、アリーグが6対3で勝利した。MVPに選ばれたのは、マイク・トラウト(エンゼルス)だった。彼は昨年の球宴でもMVPに輝いており、史上初の2年連続の受賞となった。いまや、メジャーNo1のプレーヤーと評される23歳の本質を、『FOXスポーツ』人気キャスターのケン・ローゼンタルは、自身のコラムで球宴での同僚のコメントを基に報じている。
メジャーでは、毎年次々と才能溢れた若者が現れる。しかし、マイク・トラウトはそんな中でも飛び抜けた存在だ。
アリーグのリードオフマンを務めたトラウトは、1989年のボー・ジャクソン(ロイヤルズ)以来となる初回先頭打者本塁打を放った。スタメン左翼手として出場したアダム・ジョーンズ(オリオールズ)は、「白いボー・ジャクソン(訳者注 飛び抜けた身体能力を有し、MLBとNFLの両方でオールスターに出場した万能黒人選手)だね」と語った。トラウトはそれを告げられると「恐れ多い比較ですね」とはにかんだ。
ジョーンズのコメントを受け、ブルージェイズの捕手ラッセル・マーチンは「野球に専念してくれてありがとうって言いたいね」と語った。「彼の身体能力なら、フットボールに入れ込みいきなり200ヤード駆け抜けても驚かないよ」と。
ローゼンタルは、トラウトの一発の価値を以下のように述べている。
The veteran players hold Trout almost in awe, and not simply because of his physical talents. To several of them, the play that defined Trout on Tuesday night was not his home run off Zack Greinke, he of the streak of 35 2/3 consecutive scoreless innings and Gibson-esque 1.39 ERA.
ベテランプレーヤーもトラウトに対し畏怖の念すら抱いているが、それは単に彼の身体能力ゆえではない。彼らにとって、火曜日にトラウトをトラウトならしめたのはザック・グレインキから放った本塁打ではない。35回2/3連続無失点を継続中であり、1.39という「ギブソン級(訳者注 ボブ・ギブソンは1968年にメジャー記録の防御率1.04を記録した殿堂入りの名投手)」の防御率を記録しているグレイキンキからの本塁打だ。
グレインキはトラウトに被弾した後、ジョシュ・ドナルドソン(ブルージェイズ)を歩かせたが、その後は打者6人を無安打5奪三振と完璧な投球を見せているだけに、トラウトが放った一撃は価値があると言えそうだ。