後半戦初戦も好投、投球のキレが際立った岩隈久志は夏の移籍市場の目玉に
マリナーズ・岩隈久志が18日のヤンキース戦に先発し、5回2/3を5安打3失点に抑えて2勝目。ウエーバーを経ないトレード期限の7月31日までは、岩隈がマウンドに上がるたびに、この話題が尽きない。
2015/07/20
Getty Images
空振り率から好調さがうかがえる
マリナーズ・岩隈久志が18日のヤンキース戦に先発し、5回2/3を5安打3失点に抑えて2勝目を手にした。右広背筋痛によりDLから復帰して今季初勝利を飾った11日のエンゼルス戦に続き、後半戦初登板を自身の連勝で飾った。
6回2死一、三塁。前の打席で2ランを浴びていた左の強打者、ブライアン・マキャンを迎え、交代を告げられた。投球数は76球。本人は物足らず、先発投手の評価基準であるクオリティースタート(6回以上を自責点3以内)にも届かなかったが、前向きに捉えれば余力残し。中4日で臨む次戦23日のタイガース戦への期待はふくらむ。
「キレもあったと思うし、良かったと思いますよ。後半戦の一発目ということで勝ててスタートできたということは、すごく大きい思います」
岩隈は登板後、日本メディアを前にこう手応えを口にしたという。本人が強調したように、この日最も際立ったのが投球のキレだった。
初回2死、A・ロドリゲスの2球目にツーシームで奪ってから、この試合では10個もの空振りを奪った。特に3打席連続三振に仕留めたロドリゲスからは、その3打席で計5つの空振り。76球中10個の空振りで、空振り率は13.1%に達した。
本来ゴロ投手として打たせて取るスタイルの岩隈は、空振りを多く奪うタイプではない。メジャー4年間通算の空振り率は9.6%。自己最多の15勝した昨年は8.9%で、今季通算も8.8%にとどまっている。
岩隈の言葉だけでなく、速球、変化球も含めて、キレていた証拠だろう。この日は最速91マイル(約146km)。速球は88~89マイル(約142~143km)前後ほとんどで、球速自体は好調時に比べて出ていない。球速には表れないキレが、重量打線相手に空振りの山を築いた。