7勝目を挙げた田中に新たな課題 被本塁打の多さに「次の登板までにはアジャストする」
23日、ヤンキースタジアムでのオリオールズ戦に登板した田中将大。8回途中5安打無四球3失点のピッチングで7勝目を挙げたものの、3本塁打を浴び評価は芳しくない。被本塁打の減少が次なる課題と見られている。
2015/07/25
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今季すでに3試合目の1試合3被本塁打
一方で記事に「表面上は今季最高のピッチング」と紹介されているように手放しで称賛できる内容ではなかったものまた事実。その理由となっているのが被本塁打の多さだ。
この日は7回2死からJ.J.ハーディに2-0から速球を左中間のブルペンまで運ばれると、1打者を挟んだのち、マニー・マチャドには同じく速球をレフトスタンドに運ばれこの日2本目の被弾。8回を投げ切ることができずに降板となった。記事では被本塁打にならなかった打球にもかなりきわどいものがあったことも取り上げている。
And but for a couple of feet, he might as well have allowed five home runs. Leading off the game, Machado sent Gardner to within a foot of the left-field fence to catch his long fly. In the sixth, Jimmy Paredes hit a line drive off the right-field fence less than two feet from the top of the wall.
そしてあと2フィートの差で、田中は5本の本塁打を許していたかもしれない。初回先頭打者として打席に立ったマチャドのフライはガードナーに捕球されたもののレフトフェンスまでわずか1フィート。6回にジミー・パレイデスが放ったラインドライブはあと2フィート高ければライトフェンスを越えていた。
6月21日ぶりの1試合3被弾、アメリカ国内で田中の今日の内容を評価する声が少ないのも当然だろう。また田中の被本塁打の多さは今シーズンずっと問題となっている。9イニング当たりの被本塁打率1.65はリーグトップのフィル・ヒューズに僅差で迫るアリーグ2位、HR/FB(フライ打球の内に本塁打が占める割合)は同僚のC.C.サバシアの16.7%を上回る17.9%でリーグトップ。特にここ2登板では5被弾。今季13試合目、81.2イニングにして早くも昨シーズン(136.1イニング)の15被本塁打に並んでしまった。
田中自身も「最後の2本塁打については自分側のミス」と反省しきり。キャッチャーを務めたライアン・マーフィーは「マチャドの打席では我々はスプリッターを使うべきだったが、インコースに速球を投げてやられてしまった」とバッテリーの選択ミスを悔やんだ。
これまでは楽観視していたジラルディ監督でさえも田中の被本塁打の多さが懸念の領域になっていることを認めた。
For now at least, the worries that his elbow injury will suddenly worsen and force him to undergo Tommy John surgery have eased, especially because his fastball velocity occasionally touches 94 mph, which seems to indicate he is throwing without pain.
田中の速球が、たびたび痛みが無く投げられていることを示す94mphを記録していることを考えれば、今のところ少なくとも、彼の肘の怪我が突然悪化して、トミー・ジョン手術を受けることを強いられる心配は少なくなってきているだろう。
速球の球速が回復していること、ここ数試合堅実なピッチングを重ねていることから、今シーズンの手術を懸念する声はかなり小さくなっている。次なる課題は一発の防止。「次の登板までにはアジャストする」、「ここ3試合状態は上向いているが、ゴールはさらに良くなること」と語った田中の次のピッチングに期待したい。
出典:Tanaka’s long-ball penchant becoming a concern? by Wallace Matthews in ESPN on Jul.23 2015