【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】イチローもヘルナンデスも縁はなし! 名選手ですら経験できないワールドシリーズ
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第7回目は「ワールドシリーズ」についてだ。
2014/10/10
ワールドシリーズを経験できた選手は、ごくごくわずか
今日の時点で、MLBで野球をしているチームはオリオールズ、ロイヤルズ、カージナルス、ジャイアンツの4つだけ。
他の26球団はすべて「オフ」になってしまった。
残る4球団には過酷な試合が待っているが、MLBの選手たちはポストシーズン、とりわけワールドシリーズでプレーし、そして勝利することを最終目標としている。10月に試合をできていること自体、選手にとって幸せなことではないだろうか。
さて、大選手、スターと呼ばれても、ワールドシリーズの舞台を一度も経験せずに引退している選手もたくさんいる。
現時点でのMLBのスター選手のポストシーズンでの出場試合数を見ていこう。
まず野手から。1500本安打以上の選手と主要な日本人選手。すでに引退を表明した選手も含んでいる(データは10月9日時点)ポストシーズン出場試合数順に並べている。
華やかな引退セレモニーをしたデレク・ジーターはポストシーズン通算158試合、ワールドシリーズも38試合出場している。現役勢では断トツの実績だ。
ワールドシリーズの出場試合数歴代1位はヤンキースのヨギ・ベラの75試合。ベーブ・ルースは10位で41試合。ジーターは13位にランクされる。ワールドシリーズの通算打率も.321と高い。
2位はデビッド・オルティーズの82試合。ワールドシリーズでの通算打率は.455。ポストシーズンに強い選手を「ミスター・オクトーバー」と称するが、オルティーズはまさにその代表格だ。それに続くのは、A-RODことアレックス・ロドリゲス。薬物使用のペナルティで今年は出場なし。ワールドシリーズの通算打率は.250で、やや勝負強さという点では物足りない。
現役通算安打数3位のイチローは、ポストシーズンに19試合出場している。デビュー年の2001年と、ヤンキースに移った2012年だ。しかし14年のキャリアでワールドシリーズの舞台は未経験。現役でワールドシリーズを知らない選手中の最多安打打者だ。
青木宣親はあすからリーグ優勝決定シリーズを戦う。ここを勝ち上がれば、ワールドシリーズ進出が決まる。