球速が落ちた? 故障発生以来のテストも疑問符が付いた、田中将大の中4日登板
ヤンキース・田中将大は9日のブルージェイズ戦に先発。6回を3安打2失点ながら5敗目を喫した。今季2度目となった中4日の登板に不安を残す結果となった。
2015/08/11
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不安の残った「中3.5日」
ヤンキース・田中将大は9日のブルージェイズ戦に先発し、6回を3安打2失点ながら打線の援護に恵まれず、5敗目を喫した。結果的にヤンキース打線は2試合連続で1得点もできず、0-2のまま田中を見殺し。無援が際立ったが、見逃せないポイントが「中4日」という登板間隔と、「80球」という少ない球数での降板だ。
田中の右肘は、本当の本当に大丈夫なのか?
そのための重大なテストであったはずだ。
中4日での登板は、今季まだ2度目。過去1回、4月23日のタイガース戦では、登板後に次戦へ向けてブルペン入りした際に右腕が悲鳴を挙げた。右手首腱鞘炎と、右前腕部の張りを訴え、DL入り。結果的に1カ月以上の離脱につながった。
ジョー・ジラルディ監督は試合後、田中の降板理由をこう語っている。
「彼は通常の登板間隔(中4日)でしばらく投げていなかったからね。我々にとって大事な選手だし、シーズンの先も見越して降板を判断した。次の7回は、3番のバティスタ(4回に被弾)からという打順の巡りもあったしね」
あくまで中4日への「慣らし運転」として、まず80球で切り上げさせたとした。ただ、この試合は大事なアリーグ東地区の1位と2位の直接対決だった。
加えてブルージェイズは前日まで破竹の7連勝。同一カード3連敗のスイープを阻止すべくエースを立てた勝負の一戦だったはず。その大一番で「慣らし運転」というのは、お粗末な采配と言わざるを得ない。
そして、その投球内容だ。迫力、という面では前回4日のレッドソックス戦に比べて大きく見劣りした。
レッドソックス戦は最速95マイル(約153km)を2度計時。それだけでなく、94マイル(約151km)が6球、93マイル(約150km)が10球もあった。
対して今回のブルージェイズ戦では最速は94マイルが1球だけで、それを初回にドナルドソンに右中間ソロとされた。93マイルは2球だけで、残りは92マイル(約148km)以下だった。
4回までで59球。変化球主体となった5回以降は、21球中、90マイル(約145km)台だったのは、91マイル(約146km)がわずか2球だけだった。
単純に球速での比較では、中4日への対応という点で大きな疑問符が付いた。
前回のレッドソックス戦はナイターで、今回のブルージェイズ戦はデーゲーム。前回降板後から、試合開始までの登板間隔が最も短い、「中3.5日」とも言われるタイトな日程だった。
前回故障したタイガース戦も、その中3.5日だった。さらにその試合は開始時の気温が0度という極寒で、そこも田中の右腕に大きな負担となったのは間違いなかった。