【MLB】イチロー、タイ・カッブの安打記録「M1」 得意の8月は来季メジャー契約が懸かる勝負の時
マーリンズ・イチローが8月に入って好調だ。12日のレッドソックス戦では2安打。日米通算4190安打とし、タイ・カッブの持つメジャー歴代2位の4191安打にあと1本に迫った。
2015/08/13
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最強といわれた外野手トリオの今
主砲ジャンカルロ・スタントンは左手有鉤骨骨折からの復帰がまだ見えてこない。6月28日に手術を受け、当初は全治4~6週間と言われていたが、リハビリは大幅な遅れ。患部に痛みが残りトス打撃のみで、投手相手の打撃練習さえ再開できていない。
チームは低迷し、プレーオフ進出が絶望的な状況に追い込まれており、このまま無理させず今季はシャットダウンする可能性さえ出てきた。
正中堅手のマーセル・オズナは打撃不振から7月5日に参加3Aニューオーリンズに降格。3Aで再調整中の8日に左手首を捻挫した。スライディングの際に痛めたという。まだ打撃練習さえ再開できていない。
米メディアはマーリンズが、オズナの年俸調停権利を翌年に繰り越すため、昇格を遅らせているとも伝えている。来季年俸を抑え、将来的なFA取得年数も1年先延ばしにできるためだ。9月にはベンチ枠が拡大されるためメジャーに再合流するだろうが、こちらも当面は復帰の芽がなさそう。
加えて正左翼手のクリスチャン・イエリッチは9日のブレーブス戦の守備で右膝を打撲し、11日から2試合連続欠場。「100%の状態になってからスタメンに戻す」とダン・ジェニングズ監督は話し、復帰を焦らせない方針だ。
3000本への見通しが来季の契約にも影響?
イチローはここ数試合は、相手先発投手の右左関係なくスタメン出場が続いている。安打数を伸ばし、来季の契約を勝ち取るためにもこの8月が最大にして最後のチャンスだ。
すでに今月は11安打を放っているが、およそ倍の20安打は残しておきたい。カッブを超えた先には、3000安打の前に、歴代トップの4256安打を放ったピート・ローズが待つ。こちらはあと67本で今季中の到達は難しいが、どこまで迫れるか。
いずれにせよ、3000安打をどれだけ射程圏内に収められるかが、来季の契約さえも左右してくる。3000安打に近付けば、記録達成の瞬間を来季所属球団で迎えるプレミアが付加され、メジャー契約への大きな手助けとなる。
9月になればベンチ入り枠が25人から40人に拡大され、マイナーから有望株が大挙してやって来る。そうなれば出番は限られるのは明白。とにかく勝負はこの8月に懸かってくる。無駄にできる打席は一つとしてない。