【MLB】岩隈ノーノー達成で、今オフの契約が激変 今季4勝も2ケタ勝利と同じ価値に
12日のオリオールズ戦でノーヒットノーランを達成した岩隈久志。記録にも残るだけでなく、この快挙によって今オフの契約にも大きな影響を及ぼしそうだ。
2015/08/15
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ノーノーで契約内容に大きく影響?
昨季までの2年契約を満了し、今季は球団側がオプションを行使する形で年俸700万ドル(約8億6800万円)という格安で契約延長した。メジャーへ移籍し、初めてFAとなる今オフ。おそらく過去2年と変わらぬ成績を残していれば、年俸1400万ドル以上と単年あたり倍増で、2年以上の複数年契約が望めただろう。
ところが、ここまでの出遅れで、このままFAとなれば、年俸800万ドル前後での単年契約、というのが米球界関係者の見立てとなっていた。来季35歳を迎える年齢は若くなく、プラス材料には見られない。ここから成績が大きく上向くことは考えにくく、先発3、4番手候補というのが上位球団での立ち位置だった。
それをこのノーヒットノーランが全て変えた。まだ4勝目に過ぎない岩隈だが、この好投でオフには2ケタ勝利で終えたのと同程度の評価を得られることは確実。ゆえの5勝以上の価値なのだ。
選手の契約条件は、その年の市場の規模にもよる。このオフはブルージェイズのデビッド・プライスや、ロイヤルズのジョニー・クエト、レンジャーズのコール・ハメルズら、大物FA先発投手が目白押し。買い手市場であり、そういう意味では評価が押さえられやすい環境だ。
岩隈の契約は、このままケガなく無難にシーズンを終えた場合、年俸1200万ドル前後の2年契約、といったところが妥当なラインか。後は代理人の戦略によるところも大きく、早めにサインをするのか、越年して大物先発投手が売れた後に複数球団に競合させて条件をつり上げるか。外部環境によっても大きく上下される。
7月末のトレード期限前に、岩隈を売りに出さなかったマリナーズは、当然来季所属先の有力候補一番手。後は、他球団の先発投手市場の移籍、補強具合によって手を挙げる球団は変わってくる。メジャーの契約交渉はこうした外的要因がカギを握るが、その中心にデンと座り光り輝く大きな勲章を手に入れた。