【MLB】今季初の完投 第2捕手との息ぴったり、投手としての幅を広げた田中将大
ヤンキース・田中将大が15日のブルージェイズ戦で、今季チーム初の完投勝利で9勝目を挙げた。112球を投げて5安打1失点。チーム第2捕手、ジョン・マーフィーが巧みなリードで田中を引っ張った。
2015/08/17
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中継ぎ陣にも休養を与えられた
チームが前回ワールドシリーズを制した09年のドラフトで、2巡目で指名され入団した24歳。13年のメジャーデビュー後、着実に出番を増やし、今季はすでに自己最多を更新する46試合に出場し、打率.282、1本塁打、10打点。リード面だけでなく打撃でも成長を示し台頭してきた。
「田中は最初から最後まで、しっかりストライクを投げられていたね。打者のタイミングもうまくずらせた。序盤は速球を多めに、中盤以降は緩い変化球を増やしたのがうまくいったね」とゲームプランは冷静に振り返った。
もちろん31歳にしてオールスター7度出場、シルバースラッガー賞5度を誇るマキャンとは、まだまだ格が違う。この日はデイオフをもらい欠場したが、正捕手の座は揺らがない。今季も打率.244、20本塁打、69打点で、主に5番打者として強打のヤンキース打線にさらに厚みを加えている。
一つ確かなのは、捕手が変わればリードが変わり、組み立てが変わり、ピッチングが変わるということ。当然マキャンにはマキャンの、マーフィーにはマーフィーのリードの傾向がある。
そして、他球団がここまで蓄積してきたデータのほとんどは、マキャンと組んだ試合のもの。マーフィーとのバッテリーはサンプルが少ない分、相手打線も狙いが絞りづらく、傾向と対策を練ることができていない。
マキャンのバットはもちろん、リードにも田中が助けられてきた場面は何度もあっただろう。それでも、第2捕手と組んだ場合でもパフォーマンスを落とさず投球できるということは、これからも大事な登板が続く田中にとって、投手としての幅を広げることになる。マキャンが負傷など予期せぬ事態で緊急離脱した場合への備えにもなる。
大事な首位攻防戦で、中継ぎ陣も休ませることができた完投勝利。つかんだものはそれだけにとどまらず、大きな1勝となった。