【MLB】タイ・カッブ超えも「通算安打数に関係なく、すでにイチローは偉大な選手」
2年前の8月、ヤンキースの一員として日米通算4000本安打を記録したイチローが、ついに8月15日にタイ・カッブの記録を上回り、歴代通算安打数単独2位に浮上した。
2015/08/18
MLB単独でなくても、文句なしの数字
イチローは15日通算安打数で、タイ・カッブの記録を抜いた。メジャーでの通算2914本にNPBの1278本を合計して通算4192本。
イチローとカッブを比較することに関しては、妥当であると見なされるのが一般的な見方だろう。双方とも世界で名の知られる名選手であり、グラウンドではほぼ何でもこなすことのできる選手だ。両者とも、打者としても、またランナーとして塁にいても、ピッチャーには非常に嫌な選手である。そして二人ともライトで華麗な守備を見せてくれる選手でもある。
『ESPN』のカール記者はこう評価する。
When it comes to career performance, I’m in favor of counting Ichiro’s Japanese stats, as far as talking about his historical impact or all-time greatness. Qualitatively, the Japanese leagues might differ from the majors a little or a lot over time, but the level of competition isn’t as varied as that between the best and worst teams in the minuscule, all-white, eight-team leagues of Cobb’s time.
キャリアの成績という視点から見れば、イチロー出現による衝撃度や、時代を超えての偉大さを語る上で、メジャーでの数字だけではなく日本での統計も考慮することに、私は肯定的だ。質的には日本のプロ野球とメジャーリーグは、歴史的にその差が大きい時代も小さい時代もあったが、その競争レベルの格差はカッブの時代ほど極端ではない。当時のメジャーはすべて白人選手のみで構成されていたわずか8チームの小さなリーグで、最強チームと最低チームの間には大きな格差があった。
当時、人種別リーグという醜い差別のほかにも、マイナーリーグが比較的独立していたこともあって、アリーグとナリーグに最も優秀な選手が集まるという保障はなかった。しかしそういう時代だからという理由で当時の選手の統計や数字を公式記録から除外するのは無意味なことであろう。どんな統計も除外するべきでない。これらの数字はただ、歴史的な記録であり、選手たちの一部を教えてくれるがすべてを表しているものではないからだ。