【MLB】タイ・カッブを『抜いた』はおかしい? イチローの通算安打記録に否定的な米メディアも
イチローの日米通算でタイ・カッブの安打数を抜いたことに対して、米メディアでも称賛する意見もあれば、否定的な意見もある。『SI.com』で編集デスクを務めるケネディ氏はイチローがタイ・カッブを抜いたという考えはおかしいと指摘している。
2015/08/19
Getty Images
イチローの業績は評価されるべきだが……
イチローは現地8月16日のセントルイス・カージナルス戦でメジャー歴代2位だったタイ・カッブ氏の通算4,191安打を抜いた。米メディアでも否定的な報道は少なかったが、『SI.com』では「イチローは祝される価値はあるが、カッブを抜き去ったという宣伝は信じない」という日米通算安打記録が正式記録として認められるべきではないと、主張する。
長年野球に関わり、著書の1つであるジョー・ディマジオの伝記では高い評価、そして数々の賞を得たケネディ氏。2010年ヤンキースタジアムで当時はまだマリナーズに所属していたイチローを目にした印象を綴っており、全米ファッション誌『GQ』の1ページから飛び出たようなファッションでサングラスを付け、バットが保管されている黒いケースを引っ張って現れる様子はブルースのギターリスト、もしくは1920年のギャングを彷彿とさせたと語っている。
だが対戦投手にとってのイチローはその風貌だけではなく、スタイリッシュであり、正確さを持ち、そして危険な存在であったと指摘している。
独特の打撃フォームからフィールド全体を使ってヒットを放っていく。2度首位打者に輝き、2004年にはシーズン最多安打記録の262本を放ち、そのうち単打が225本とともに1シーズンでの記録となった。時にパワーを見せる場面はあるが、シングルヒッターであるとケネディ氏はイチローを評価する。
抜群のスピードを誇り、バットに当たれば常に内野安打の可能性であった。さらに塁上で、頭脳的な走塁を見せる。