緊急降板の金子千尋が見せた、エースとしての責任感【どら増田のオリ熱コラム #55】
オリックスのエースに緊急事態だ。1日の楽天戦に先発した金子千尋が4回、肩の違和感を訴えて、途中降板した。
2015/09/02
エースなき残り試合を覚悟も
今季の金子は肘の手術の影響で約2カ月出遅れた。
6月28日のロッテ戦(マリン)では「体調が悪かったが、準備はしていたし、 投げないという選択肢はなかった」と体調が芳しくない中、ローテーションを飛ばすことなく、負けはしたものの7回を2失点に抑えている。
その次に投げた7月5日のソフトバンク戦(ほっと神戸)では4回1/3を8失点と 現地で見ていても目を疑うような大炎上をする場面もあったが、それ以降は投げるたびにエースとしてのピッチング取り戻していったように思う。
「あそこで抑えないと安達が申し訳ないという気持ちになってしまう」
これは8月25日の4回に安達の落球から招いたこの日一番のピンチを振り返った 金子のコメント。これを聞いた時にオリックスのエースはやはり金子千尋なのだと改めて実感した。前出のロッテ戦、そして1日の楽天戦でもエースとして金子は金子自身の言葉でコメントを出している。
約2カ月出遅れたとはいうものの、チーム状況が良くない中、開幕から先発ローテーションに入っていたブランドン・ディクソンと東明大貴の8勝に次ぐ7勝の勝ち星をあげているのは、さすがはエースである。
調子が悪そうに見えた試合でも、森脇前監督や福良監督代行の口からは「千尋は悪くない」「この状況で金子がよく投げてくれた」とエースを労うコメントがよく聞かれていた。
そして普段から「本当に投げられないなら自分で言うので」と話していた金子が、自ら降板を申し出たということは、少し時間がかかる覚悟が必要だろう。
ここでの金子の離脱は、冒頭の福良監督代行の言葉通り、非常に痛い。
エース不在の中、来週からオリックスは9連戦を含む過酷なシーズン終盤戦に臨む。