ヒーローに代打!? ブレない栗山監督、2位独走の日本ハムがモチベーションを失わない理由
首位を独走するソフトバンク、そして日本ハムはそれを追いかけながら2位を独走している。目標を見失いかねない状況下で、選手は緊張感を失っていない。選手間の競争が、チームを盛り上げている。競争に生き残るべく選手はアピールに必死だ。
2015/09/05
ベースボールチャンネル編集部
一貫して競争を煽り、チームを活性化
今季3試合目の先発となった佐藤は、第2打席で一死満塁のチャンスを迎えた。だが、中途半端に止めたバットにボールが当たり、内野ゴロ。内容は最悪、だが打球が弱かったことで併殺を免れ、今季初打点がついた。
続く第3打席、今度は一死2、3塁のチャンスでライト前に2点タイムリーを放つ。もちろん今季初のタイムリー。それは重圧に打ち勝った一打でもあった。
勝利を大きく引き寄せる3打点。私は佐藤がお立ち台に立つシーンを頭に描き、そうなったらいいなあと思った。
だが、結果を出した佐藤に4打席目は巡ってこなかった。次の打席に立ったのは代打、石川慎だった。
相手投手が右から左に代わらなければ、佐藤はそのまま試合に出ていたかもしれない。だが、この交代に競争を煽ろうとする栗山監督の意図が見え隠れする。
彼は結果を出した佐藤を「ご苦労さん」と下げ、「さあ、次はお前だ」と尻を叩くような思いで石川慎を打席に送ったのだ。
1勝1分1敗に終わった先週末のソフトバンク3連戦でも、ライトには矢野、杉谷、佐藤、石川慎の4人が起用された。キャッチャーでも市川と大野が競争を繰り広げている。
若い日本ハムは競争が命。栗山監督は多くの選手に出番を与えることでチームを活性化し、それがいい緊張感を生んでいる。
2位独走の秋も、日本ハムはまだまだ面白い。