“秋ロッテ”実現へ 2番・角中こそ、Aクラス死守のキーマン【ほぼ月刊マリーンズ#6】
瞬間風速的に懸案だった貯金「2」の壁を越えて以降は、ふたたび5割ラインを行きつ戻りつしながら、ライオンズとの熾烈なクライマックスシリーズ争いを続けるマリーンズ。目下、戦列復帰したリードオフマン・荻野貴司の打撃が絶好調とあって、チームでは主軸・清田育宏へとつなぐ「2番」の存在意義がとりわけ重要になりつつある。
2015/09/03
ベースボールチャンネル編集部
出塁率4割超え! 打ってつなぐ「2番打者」
今シーズンのマリーンズでは、53試合で2番を任されている鈴木大地を筆頭に、これまで7人が2番を務めているが、ここでキーマンとして挙げたいのが、角中勝也の存在だ。
好不調の波が激しく、打率こそ3割を切って下降傾向にあるものの、コンスタントに.350を超えている彼の出塁率の高さはやはり大きな魅力。そのうえ2番を務めた27試合に限ってみれば、打率3割弱、4割を超える出塁率(.409)をマークしているのだから、最多出場の鈴木の.303と比較しても、彼のほうがむしろ適任であると言っていい(別図参照)。
実際、13試合で11勝2敗と、突如ホークスのような勝ちっぷりをみせた、7月24日からの8月7日までの13試合では、送りバントをひとつもせずに45打数14安打、12四球、打率.311、出塁率.456と、その役割を見事に果たす抜群のアベレージも残しているだけに、チームがAクラスを死守できるか否かは、彼の本格的な復調にこそ懸かっていると言っても過言ではないだろう。
シーズン最終戦まで残り1カ月。9月の後半に、とにかく苦手なホークス、ファイターズ、イーグルスとの試合ばかりが集中しているのがファンとしては死ぬほど気がかりではあるが、荻野、角中、清田の3人を発火点にしたつなぎの野球で、なんとか勝ちを拾っていってほしいもの。
いくら“ゴールデンイヤー”だからと言って、「日本一」になれるとは、もはや思うまい。
だが、“5年周期説”をここまで愚直に信じ続けてきたマリーンズファンのためにも、そして、首位を独走する強すぎるホークスに、かつてのトラウマを呼び起こしてもらうためにも、せめて「シーズンが終わってもまだポストシーズンがある」という、ささやかな楽しみぐらいは、“秋ロッテ”の名のもとに現実のものとしてもらいたいところだ──。