意外性の助っ人!? レアードは「(非公認)NPBタコ本塁打記録保持者」と記憶すべきだ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#11】
今季ファイターズで意外性を発揮しているのが助っ人のレアードだ。開幕前までは、堅実な守備が売りで、ハーミッダのほうが評価は高かったが、シーズン中盤以降、ホームランを量産している。
2015/09/06
予想していなかった、打の活躍
東京ドームで行われたロッテ20回戦(9月3日)、ファイターズのブランドン・レアードがついに26号ホームランをかっ飛ばしたのだ。試合はその後、逆転負けを喫しているから、特に意味のある一打という風には扱われていない。
翌日の記事も「ロッテ・角中勝也に対する死球」が最もクローズアップされていた。
あれは本当に申し訳なかった。吉川光夫はもちろんわざと当てたわけではない(長年、制球を課題としてきた)けれど、クライマックスシリーズ争いの只中にあるロッテファンの気持ちは痛切にわかる。
ちなみにその前、25号を打ったのはヤフオクドームのソフトバンク18回戦だ。2対2で延長12回引き分けた試合。あのときも「関係ないけどレアード打った!」と感心した。25本っていったらちょっとしたもんだ。「当たり外国人」だ。いつの間にか西武のメヒア(9月3日現在23本)を追い越している。メヒアって中村剛也と去年のホームラン王を分け合った強打者ですよ。
そんなに打つと思わなかったなぁ。キャンプから春先にかけてはハーミッダのほうが評判良かった。レアードがサードの守備が堅実で、どちらかというとそっちの計算が立つというレギュラーの取り方だった。打順は7番あたりの下位。打率がずっと1割台だった。基本はプルヒッターだ。引き手の左一本で巻き込むような打ち方をする。
併殺打の多い打者で、主軸を任せると散々なことになる。だから「意外性男」としてノンビリやってもらっていた。たまに貴重な追加点の2ランみたいのを打った。あと理由は不明だが、金曜日の打率だけが良かった。
で、そのうちにいいところで打ち始めたんだなぁ。もちろん主軸の働きは期待できない。いったん忘れて、期待しないでいるほうがいい。そうするとサプライズプレゼントをくれる。レアードが打つと皆、うれしいのだ。チームメイトが「金太郎」とあだ名をつける愛敬も関係しているだろう。