セパ投手タイトル争い 大谷翔平、史上12人目「投手4冠」の可能性【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は「セパ投手タイトル争い」だ。
2015/09/08
ベースボールチャンネル編集部
NPBの投手のタイトル争いも大詰めを迎えてきた。両リーグの投手各部門の行方を占いたい。
大谷翔平に大記録達成の可能性
まずパリーグだ。表の「確」はタイトル確実、「有」は有望、「可」は可能性あり、とした。
【勝利数】
大谷翔平が2差をつけている。各チームの残り試合は20試合程度、先発の登板機会は3回程度だ。武田翔太、涌井秀章が大谷に追いつく可能性はあるが、大谷が優位なのは間違いない。
【防御率】
大谷と2位の西勇輝の差は0.50と大きい。投手は打ち込まれ、一気に防御率を下げることがあるが、このところの大谷の安定感を見ると「当確」を打ってもよいのではないか。
【勝率】
パリーグの規定では規定投球回数に達したうえで、13勝以上挙げていないと勝率のタイトルは獲得できない。今のところ大谷だけ。武田翔太にかろうじて可能性があるが、これも大谷で「当確」だろう。
【奪三振】
大谷と楽天の則本昂大が競り合っている。奪三振率は大谷が上だが、この争いは最後までわからない。今後の登板の内容次第になるだろう。なお、則本が獲得すれば2年連続2回目となる。
【セーブ】
大接戦だ。ソフトバンクのサファテと日本ハムの増井浩俊が同数で並んでいる。登板数はサファテのほうが上だが、どちらがとっても不思議ではない。あとは仮にホークスが早々に優勝を決めた後、クライマックスシリーズを見越して、サファテの起用が減るかどうかなどチーム事情にも左右されそうだ。
【ホールドポイント】
最優秀中継ぎ投手は、ホールドポイント=ホールド数+救援勝利数で決まる。これは西武の増田達至が確定的だ。
なお、大谷は史上12人目の「投手四冠」に王手をかけている。
過去の四冠王。奪三振に関してパは1988年、セは1990年までタイトルではなかった。
歴史に残るそうそうたる顔ぶれが、1度ずつ記録している。大谷は3年目で早くも歴史的な投手の仲間入りをする可能性がある。15勝以下での最多勝は、レベルが高いとは言えないが、先発投手のシーズン登板数が24~26回しかない現在のローテーションでは仕方のないところだ。