守備だけではなく、打撃でも存在感を発揮 チームを救う「隠れ強打者」
「隠れた強打者」がいるチームは、逆に選手層の厚さの証明でもある。そんな選手たちの多くは複数のポジションが守れる、ありがたい存在だ。そして打撃でアピールに成功して出場機会を増やし存在感を発揮している。
2015/09/11
ベースボールチャンネル編集部
プロ野球の野手は規定打席に達して一人前、打率も規定打席以上で争われる。
しかし、規定打席に達しなくても各球団には「隠れた強打者」がいる。数字は表に現れなくても、チームが頼りにする強打者、ここぞで起用したい打者。
規定打席未満で、活躍する選手をピックアップしてみよう。
大半が、複数ポジション守れる選手たち
◆パリーグ
・脇谷 亮太 西武 216打数65安打3本塁打21打点 打率.301
・杉谷 拳士 日本ハム 141打数43安打1本塁打12打点 打率.305
・伊藤 光 オリックス 213打数61安打1本塁打24打点 打率.286
脇谷と言えば巨人時代からどこでも守れる守備力と、俊足で鳴らした選手だ。
西武に移籍して2年目の今年は一塁、外野、三塁を守り、打順も二番、三番、六番、七番と様々な使い方をされながら数字を挙げている。左打者だが左投手からも3割を打つ。チームにとって貴重なスーパーサブだ。
杉谷拳士も内外野を守るが、去年までは「守備の人」という印象が強かった。しかし今年は3割をマーク。スイッチヒッターの強みが生きている。
不動の正捕手だった伊藤は、今季は山崎勝己と併用され出場機会が減っているものの、しぶとい打撃が光る。得点圏打率は51打数19安打の.373。
打撃でもアピールして、再び正捕手の地位を取り戻したい。
◆セリーグ
・立岡 宗一郎 巨人 272打数89安打0本塁打12打点 打率.327
・今浪 隆博 ヤクルト 96打数32安打2本塁打10打点 打率.333
・藤井 淳志 中日 232打数64安打5本塁打34打点 打率.276
立岡宗一郎は5月末に一軍昇格。内野、外野を守りながら少しずつ出場機会を増やしていき、今では打線に欠かせない打者になった。
長打はないが13盗塁と足でも貢献している。
内野のユーティリティプレーヤーの今浪隆博も、今季は打撃面で向上した。
プロ入り初本塁打を打つなど大きく変身。8月は16打数10安打と驚異的な打撃を見せて、強力打線に割り込む構えだ。右投手に.357と強い。代打でも20打数7安打.350としぶといところを見せている。
藤井淳志は、トータルの打率は.276だが、代打では27打数12安打の.444。出塁率は5割を超えている。この選手も外野守備で売り出した、一時期はレギュラーを張ったが最近は低迷。勝負強い打撃でリベンジを目指している。
こうしてみると、これらの「隠れた強打者」は、守備で使い勝手の良いところから出場機会を増やし、そのチャンスで好打を見せてアピールしようとしている。
レギュラーを自分の力で引き寄せようとする選手たちにも注目だ。
※記録はすべて10日試合前までのもの