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前人未到の世界へ 過去3割到達なしの秋山翔吾が、200本安打を積み上げられた理由【中島大輔 One~この1本をクローズアップ】

ライオンズの秋山翔吾が、13日のロッテ戦の5回裏にロッテ先発の涌井から内野安打。これで今季通算200本目、史上6人目の快挙となった。昨年まで一度も3割に到達していなかった男がなぜ今季これだけの安打を量産できたのか。今回は5回のその200本目から秋山の今季の変化についてクローズアップしたい。

2015/09/14

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変な自信を深めないように

 バットを寝かせて構える理由について、秋山はこう話している。

「力を抜けるようにするためです。それで強い打球を打てるように、ヘッドを走らせるように練習してきました。ヘッドを走らせようと思うと力みます。トスバッティングとまではいかないけど、感覚はそれに近いですね。野球を長くやっていると、嫌でもインパクトに力が入ります。だからポイントまで、軽く運べるか。当たってからの勝負は本能に任せて、ボールをとらえるまでのポイントは軽く、柔らかくです」

 今季の秋山はボールに対して最短距離で打ちに行き、オープン戦からヒットを量産してきた。開幕してからも好調は続き、打てば打つほど「200安打ペース」と周囲の注目は高まっていく。とりわけ6月3日の中日戦から7月14日の楽天戦まで31試合連続安打を放った間は、報道陣が目に見えて加熱していった。

 入団1年目からマスコミ対応が極めて良い秋山だが、距離を置きたがるような様子を感じた。そこで6月28日の日本ハム戦の前、あえて報道陣について聞いてみた。

「何本ペースとか、成し遂げたものではなく、未来予想図ですよね。自分では、『このまま行くはずがない』と思っています。成績が出ているのはありがたいですけど、まだプレッシャーを感じるまでではありません」

 秋山が驚異的なペースで打ち続けていたのは、疑いようのない事実だ。5月から、イチロー(マーリンズ)以来となる2カ月連続での月間40本安打をマークしている。
 だが、秋山は謙虚な姿勢を崩さなかった。

「自信になることはあまりないですね。いままで3割打ってきたバッターであれば、今年はすごくいいということになると思います。でも打ち方を変えて、突然変異的なところがあるので。これを今シーズン後半、来年も続けていけるのか。今年このままいけたとしてそれを振り返ったとしても、1年やっただけですから。変な自信を深めないように。ホームランを打っても、たまたまです」

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