ブライアン・ロドリゲスが代役抑えに。「華麗なる便利屋」へのエール【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#155】
打線好調、2カード連続勝ち越しを決めたものの懸念事項は9回クロ―ザー問題。秋吉亮、杉浦稔大がいない状況で任されたのはブライアン・ロドリゲスだ。
2021/09/04
絶対的守護神が不在
たった今、9月2日のオリックス16回戦が終わったところだ。首位チーム相手に初戦2戦と2つ取って、スイープ目前だったが、9回表に4失点、6対6の引き分けに終わった。熱心なハムファンのなかには森球審の辛すぎる判定をうらめしく思う向きもあるやに聞くが、まぁ、とにかく吉田正尚、杉本裕太郎のバッティングを褒めるしかあるまい。
ファイターズはこれで2カード連続勝ち越しだ。野村佑希がクリンナップにおさまり、打線が活発になった。走者をためて長打が出る。中田問題はファンの不信感を招いたが、現場は逆にスッキリしたようだ。いい意味で開き直れている。今のチームを見ていると、高校野球でよく「今年のチームは今までの代でいちばん弱いんだけど、逆にまとまっていて、一戦一戦力をつけている」みたいな言い方をするじゃないか。そんな感じがする。
但し「2カード連続でスイープを逃がした」事実にも目を向ける必要がある。西武戦は7点差を追いつかれ、オリックス戦は冒頭述べたように4点差を追いつかれた。中継ぎ&抑え、本来ならファイターズのストロングポイントであるはずのリリーバーに安定感がない。いや、西武戦の堀にせよ、オリックス戦のブライアン・ロドリゲスにせよ、今季ここまでそこそこ安定はしていたのだ。言い方を変えると絶対感がない。「もうヤツを出して負けるんだったら納得がいく」という切り札感。
ファイターズは特に抑えに苦労している。近年は石川直也の離脱以降、秋吉亮、杉浦稔大と移籍組を起用、それがどちらも好調が長く続かない。まぁ、秋吉はヤクルト時代、登板過多で調子を崩した投手だし、杉浦は肩痛の様子を見ながら間隔を空けて先発させていた投手だ。本来ならヤクルト出身の荒木大輔コーチがいて、調子の見極めは万全のはずだが、うまくいかない。去年の秋吉も今年の杉浦も球威を失って、勝ち試合をぶち壊してしまう。2人ともホントはいい投手なんだけど。
そういう経緯でクローザーのお鉢がまわってきたのがブライアン・ロドリゲスだ。まぁ、自分で言っといて何だが、絶対感を求めるのは酷だ。「ブライアン・ロドリゲスを出して負けるんだったら納得がいく」「ブライアン・ロドリゲスと心中だ」、ぜんぜん感じが出ない。すごく使い勝手のいい投手なのだ。先発もロングリリーフも、勝ちゲームのセットアッパーもこなす。杉浦の代わりに抑えをやらせてみたらそれもこなしてくれた。でも、続かない。今日という日が来た。9回4失点、抑え失敗。
僕は絶対、ブライアン・ロドリゲスを責めたくない。失敗しない抑え投手なんて存在しないし、そもそも代役クローザーだ。球団が本気なら8月末の期限までにトレードなり新外国人獲得なりでクローザー(候補)を補充しただろう。オリックスがBC茨城から補強したメキシコ代表右腕、セサル・バルガスみたいな形だ。