ブライアン・ロドリゲスが代役抑えに。「華麗なる便利屋」へのエール【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#155】
打線好調、2カード連続勝ち越しを決めたものの懸念事項は9回クロ―ザー問題。秋吉亮、杉浦稔大がいない状況で任されたのはブライアン・ロドリゲスだ。
2021/09/04
来日1年目は前代未聞のパターンで開幕投手
みんなブライアン・ロドリゲスの「華麗な便利使いの歴史」を思い起こしてほしい。これほどチーム事情に翻弄され、それでも嫌な顔ひとつせずに頑張ってきた外国人投手もいない。来日1年目の2018年、いきなり開幕投手を務めるのだ。これは実力を認められたということではなく、栗山監督がエース候補の有原と上沢のどちらにも決めかねて中立地帯のB・ロッドに任せたという、前代未聞のパターンだ。しかも開幕戦で投げた後は2軍暮らしが続き、次に1軍で登板したのはシーズン後半戦だった。
実力は大したことなかったが、とにかく人柄がいい。クイックも懸命に練習したし、変化球で緩む投球フォームも修正した。連投も負け試合のロングリリーフも厭わない。1軍がアメリカへ春季キャンプに行ったとき、ビザの関係で出国できず（外国人選手でひとり）2軍の国頭キャンプになっても全くくさらない。上沢がケガで長期離脱してるときはナックルカーブを伝授した。そして、今季は上記の事情が重なってクローザー就任だ。
だいたい内野手のロニー・ロドリゲスをシーズン中に補強して、2人とも「ロドリゲス」っていうのはどうなのだろう。ロニー・ロドリゲスが加わったおかげでこの原稿は「ブライアン・ロドリゲス」とフルネームで記載するしかなかった。普通は投手が「ロドリゲス」なら、後から来た野手は「ロニー」とか、スペイン語の愛称エル・フェリーノ（猫）から取った「フェリーノ」登録だろう。いかに「ロドリゲス」が日本名なら鈴木や田中のような一般的な名だとしてもちょっとねぇ。
救援に失敗した日に書くのも何だけど、ブライアン・ロドリゲスは応援したいのだ。球威がある。ツーシームがよく動く。チェンジアップが効果的。カーブもいい。低めに球を集めればまずまずNPBで食っていけるピッチャーだ。本人もファンもくじけないでほしい。頑張ってくれブライアン・ロドリゲス（とファン）。