谷繁、小笠原、和田、西口、谷…ベテラン引退で変わるNPBの年齢構成
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はNPBの年齢構成についてだ。
2015/09/23
ベテランの引退でチームは若返り
最近のNPBは、各球団の平均年齢にばらつきがみられるようになっている。
球団ごと、守備位置ごとの平均年齢。9月時点。チームの平均年齢と、現在判明している35歳以上の引退選手を差し引いた平均年齢も出した。育成選手を除く。
チームの平均年齢が最も低いのは日本ハムの26.85歳、最も高いのは中日の29.14歳。この差は小さくない。
全体的にも、パリーグのほうが平均年齢が低いことがわかる。
これは、少し前までFAでパからセへの移籍が多かったことと関係がありそうだ。またFA以外でも年俸が高くなったパの主力選手がセに移籍するケースも多かった。
その結果としてセ・パの年齢格差が生じたのではないかと思われる。
ベテラン選手は経験や技術など、若手が及ばないものをもっている。しかし「伸び代」では、若手には及ばない。ベテランを偏重しすぎるとチーム力は衰える。
外野手の平均年齢が30歳を超えている巨人や中日と、25歳の日本ハムではスピード感、身体能力などで、大きな差があるように思える。
交流戦でのパの圧倒的優位と、チームの平均年齢は無関係ではなさそうだ。
多くのベテランが引退することによって、球界の勢力図は変化するだろう。若手の活躍の場は広がるはずだ。
ベテランのこれまでの功績をたたえつつ、今後も来季の各球団の陣容の変化を見ていきたい。