数字が証明、復帰のヤクルト・バレンティンがチームにもたらす効果
22日の広島戦で勝利を収め、首位をがっちりキープしたヤクルト。終盤の優勝争いで頼もしい主砲が復帰し、チームに勢いをもたらしている。
2015/09/23
セリーグ打撃3部門を独占するヤクルトに、さらに強力な“ピース”が加わった。
バレンティンである。
今季は4月24日に初めて一軍に昇格するも、5回の守備で左太ももに違和感を覚え、途中交代。翌日には「左大腿直筋(ひだりだいたいちょっきん)肉離れ」と診断され、手術に踏み切った。
そのバレンティンが、9月18日の巨人戦(神宮)から戦列復帰。優勝争いが終盤を迎えたいま、2013年に60本塁打を放った男の存在感はやはり欠かせない。
バレンティンの復帰で、優勝争いを演じているヤクルトにどのようなプラスがあるのだろうか。数字面から、さまざまな効果が期待できそうだ。
復帰2連戦で見せた高い『勝負強さ』
打席での『集中力』が研ぎ澄まされた結果といっていい。9月18・19日、巨人との首位攻防2連戦(神宮)で4月24日以来の一軍復帰を果たしたバレンティン。2試合で8打数5安打4打点。試合勘の鈍さなどをまったく感じさせない活躍ぶりを見せた。
バレンティンの打席での集中力は、チームに好結果をもたらしている。
19日の試合では、1点をリードされた2回裏に左翼線への二塁打で出塁し、雄平の同点打につなげた。3回裏には、2点を勝ち越された直後に左前へ適時打を放ち、リードされた展開でもあっても、集中力を切らさずにプレーし続けた。
元々、“気分屋”な性格のバレンティンだが、ここぞという場面での高い集中力、勝負強さは誰もが認めるところだ。残り数試合で優勝争いの佳境に入ったこの時期に復帰できたことは、チームにとっては大きなプラス材料である。
9月18・19日、バレンティンの復帰2連戦(対巨人・神宮)の成績では、打率.625、1本塁打、4打点。
また2014年こそ得点圏打率.213も、2013年には得点圏打率.336をあげている。今季復帰後の得点圏打率は5打数2安打3打点、.400をマークしている。
バレンティンが復帰して5番に座ることで、今まで主に日本人打者だけで構築してきた打線にさらに厚みが増し、個々の打者の負担が軽減されるはずだ。