残り18勝で西口引退。NPB通算200勝投手は、今や「絶滅危惧種」に
西口文也が今季限りでの引退を発表した。現役投手の中で通算200勝までは、すでに達成している山本昌につづき一番近い投手だったが、ここ数年は怪我にも悩まされ、思ったような投球ができなかった。
2015/09/23
分業制、登板間隔、MLBへの挑戦
大きな要因としてやはり「投手分業の確立」と「登板間隔の広がり」がある。
昔の大投手は先発と救援を掛け持ちしていた。先発完投した翌日にクローザーをすることも珍しくなかった。両方で白星を荒稼ぎしたのだ。今では先発投手が救援登板することはめったにない。
昭和の時代は中3日、4日だった先発投手の登板間隔が中5日、6日に広がっている。今では、先発投手はシーズンに24~28回しか先発登板しない。
2013年に田中将大が24勝0敗という空前の記録を樹立したが、これに近い成績を10年近く続けないと200勝は無理なのだ。
もう一つ、昨今NPBでトップクラスの成績を上げている投手は、全盛期にMLBへ移籍するケースが増えてきた。
野茂英雄を皮切りに、松坂大輔、黒田博樹、岩隈久志、ダルビッシュ有、田中将大……彼ら日本のエースというべき投手たちは100勝前後でアメリカに渡った。
NPBでそのままプレーし続けていれば200勝に到達する可能性のあるエース級が、アメリカへ渡るのはもはや既定路線になろうとしている。
こうした事情もあり、NPBの200勝投手は、今や「絶滅危惧種」と言っていいだろう。
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