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楽天球団創設時を知る唯一の投手。リリーフ専門、闘将が絶大な信頼を寄せた小山伸一郎

名選手が相次いで引退表明をしている2015年。楽天では斎藤隆につづき、球団創設時以来チームを支え続けた小山伸一郎も今季限りでの引退が発表された。星野仙一前監督が信頼を寄せる、貴重な存在だった。

2015/09/27

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スリーマウンテンズの一角として

 小山伸一郎。楽天の球団創設時を知る唯一の投手が、現役生活に別れを告げた。

 4月に右肩関節唇のクリーニング手術を受けた今季はリハビリの日々が続いていたが、1軍復帰叶わず断念。20日に記者会見を開き、19年間に及んだプロ生活を開口一番、「色々あった野球人生」と振り返り、「自分としては毎日全力で投げてきた結果かなと思っています」と語った。

 1996年、三重県立明野高校から星野監督が指揮を執っていた中日へドラフト1位で入団。2004年オフ、トレードで産声を上げたばかりの楽天へ移籍した。

 2005年4月1日西武戦、9回に登板し三者凡退投球。中島裕之を見逃し三振に取ると、ラストバッターの貝塚政秀も150キロの速球で見逃し三振に取り、初のホームゲームを勝利で飾る立役者の1人にもなった。

 通算成績は480試合、572回1/3を投げて2465人の打者と対戦し、28勝36敗、36セーブ、84ホールド、防御率3.87、WHIP1.63。楽天時代では409試合、24勝28敗、防御率3.56、WHIP1.26。

 移籍してからその才能を大きく伸ばし、イーグルス最初の10年史の「紡ぎ人」として投手陣の台所事情をフル回転で支えてきた。先発は4試合のみ。大半を二番手以降で投げ、セットアッパー、クローザー、回またぎ、ロングリリーフなんでもござれと様々なシチュエーションをこなし、2010年以降は片山、青山とともに勝利の方程式「スリーマウンテンズ」を結成するなど、リリーフの専門職だった。

 楽天での409試合は青山に次ぐ球団歴代2位である。この数字が示すように、とにかく無尽蔵のタフネス。トレードマークは半袖のアンダーシャツにゴーグルだ。雨にも負けず、風にも負けず、春先の肌寒さが居すわる本拠地でも、おなじみの姿でマウンドに登り続ける「無事之名馬」の象徴だった。

 テイクバックの小さい投球フォームから繰り出されるスピードボールは球威があり、キレ味鋭いシンカーやスライダーなどを武器に通算奪三振率は8.19をマーク。2008年から2012年にかけて記録した5年連続50試合登板は、NPB史上11人目の快挙になっている。

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