【データで選出9月月間MVP】広島・鈴木誠也が両リーグ断トツ。オリックス・山本由伸の連続1位を止めたのは?
2021/10/05
千賀が山本を上回りトップに。阪神・髙橋はわずか3登板で圧巻の成績
投手の評価も質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、「ゴロかフライかライナーかといった打たれた打球の種別」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出する。
本企画での投手部門では山本由伸(オリックス)が6月、7・8月と、2ヶ月連続でトップを記録したが、9月の山本は7.8点で2位に終わっている。その山本のかわりにパ・リーグトップとなったのが千賀滉大(ソフトバンク)だ。
一般的な評価指標である防御率で見た場合、山本が0.90であるのに対し、千賀が1.98と若干劣る。だがセイバーメトリクスの観点で見ると、奪三振のペースは互角だが、与四球の少なさ、ゴロを打たせた割合も千賀に軍配が上がる。また多くの失点を防いだ投手を評価する本企画においては、山本より1登板多い月間5先発を果たしたことも有利にはたらいた。
セ・リーグでは高橋遥人(阪神)がわずか3先発ながらその中で圧倒的な投球を見せ、7.4点でトップとなった。他球団のエースより投球回が大幅に少ないにもかかわらず、より多くの失点を防いでいる。また同じく3先発にとどまった奥川恭伸(ヤクルト)は9月の与四球が0。9月どころか7月以降で見ても1四球も与えていない。高卒2年目の投手とは思えない完成度の高い投球を継続しているようだ。
DELTA(@Deltagraphs)http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。