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2年連続最下位から1年でV争いへ――12球団最年少・真中監督の手腕

現在、首位を走り、巨人と熾烈なV争いを繰り広げるヤクルト。2年連続最下位だったチームを今季就任した真中満監督はAクラスへと導いた。

2015/09/27

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引退後は指導者の武者修行

 首位ヤクルトが猛追する巨人と熾烈なV争いを繰り広げている。14年ぶりのリーグ優勝を果たせるか否かは神のみぞ知るところだが、いずれにしても3年ぶりのAクラスは確定。2年連続最下位に沈み、どん底に陥っていたチームを奇跡のV字回復へと導いた救世主とも言うべき指揮官が真中満監督だ。

 今季から現職に就き、フロントから低迷脱出とチーム再建を託されると期待にこたえた。その功績は間違いなく大きい。

 まだ44歳の指揮官は、12球団で最年少だ。

 しかしながら、この若き監督は現役引退後もユニホームを脱ぐことなく指導者の武者修行をみっちりと積み上げてきた。通算16年間の現役生活をヤクルト一筋で全うしてから二軍打撃コーチ、二軍監督を歴任し、多くの若手有望株を育成した。

 まだ入団して間もない頃の山田哲人や、本格的な野手転向を果たしたばかりの雄平ら今をときめく主力打者たちを熱心に身振り手ぶりを交えながら技術指導したり、助言を送ったりする姿は当時のファームでよく見られた光景だった。

 現役時代はリードオフマンとして勝負強さを発揮するなど3度の日本一に輝いた野村克也監督の下で黄金期を支えた。

 常にスポットライトを浴び続けているスーパースターではなかったものの「いぶし銀」のような存在感を放ち、縁の下でチームを支えてきた印象が強い。「オレが、オレが」というような出しゃばり感はこれっぽっちもなく、本当に大事なところでヒョイと出てきてきっちりと仕事をこなす。真中満とは、そういう職人気質を感じさせるプレーヤーだった。一歩引いてチームの全体像を見渡すことができるから指導者に最も求められる「広い視野」と「バランス感覚」の両面を持ち合わせている。

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