”ストライクが入らず”――CS進出懸けた大一番で露呈した、菊池雄星の致命的な弱点【中島大輔 One~この1打席をクローズアップ】
9月28日のロッテ戦。クライマックスシリーズ進出残り1枠をめぐる争いの中、ライオンズにとっては大一番だった。先発予定だった岸の登板回避により、マウンドに上がったのは菊池雄星。しかし、ここ一番で課題が露呈した。今回は、3回表・先頭打者の清田育宏との対戦をクローズアップする。
2015/10/01
今季大一番で期待を裏切る投球に
今季最大の大一番にチャンスが巡ってきたのは、菊池雄星の生まれ持った星によるところなのだろうか。
「意気に感じます。やるしかない」
気合を入れた左腕は高校時代に甲子園を湧かせたようなメンタリティを勝負どころで発揮するのか、あるいは、なかなか払拭できない弱気の虫が出てしまうのか――。
先発予定だった岸孝之が左脇腹痛を理由に前日の登板回避となり、中5日で臨むことになった9月28日のロッテ戦。クライマックスシリーズ進出を争うロッテとの今季最後の直接対決で、菊池はまたしても期待を大きく裏切った。
「少しちびっていたのかな」
敗れた後、田邊徳雄監督はそうこぼした。立ち上がりからボール先行、変化球でストライクをとれずに苦しい投球を続け、5回途中3失点で降板。チームはそのまま敗れ、クライマックスシリーズ進出に向けて痛い星を落とした。
確かに、急遽中5日で登板が決まったのは難しい部分があったかもしれない。しかし、今季終盤の菊池は登板間隔が試合ごとに変わっていた。
8月26日の日本ハム戦に敗れると、次にマウンドに上がったのは中9日で臨んだ9月5日のロッテ戦だ。その次が中7日で9月13日のロッテ戦に投げ、中8日で22日のオリックス戦へ。次は中7日で30日のオリックス戦に向かう予定だったが、急遽28日の大一番で投げることになった。
シーズン終盤で日程がイレギュラーになる面はあるものの、苦手とするソフトバンクと日本ハム戦を避けていることがその理由として考えられる。なぜなら、今季は上位2チームに極端な苦手意識を示していたからだ。