山田久志、松坂、ダルビッシュ有……実働29年・中嶋聡が受けてきた名投手たち
9月28日に29年間の現役生活に終止符を打つことを発表した日本ハムの中嶋聡。阪急、オリックス、西武、横浜、日本ハムと複数の球団と時代を渡り歩いてきた中嶋は山田久志、松坂大輔、ダルビッシュ有ら多くの名投手のボールを受けてきた。
2015/09/30
松坂の専属捕手としてエース育成に貢献
1997年オフにFA権を行使して西武に移籍。
当時の西武では伊東勤が正捕手を務めていたため5年間で324試合と出番こそ多くなかったものの、松坂大輔や今年引退を発表した西口文也を筆頭に、潮崎哲也、豊田清、晩年の西崎幸広らここでも一時代を築いた投手たちの球を受けとめてきた。
特に松坂大輔とは専属捕手の関係となり、松坂が入団した99年には24先発中21試合で中嶋が先発マスクを務めている。
2002年オフに横浜にトレードで移籍も、翌年は故障がたたり15試合の出場に終わっている。しかしそのわずかな出場の間にも来年から現役最年長となる三浦大輔や、今年引退を発表している斎藤隆らベイスターズを代表する投手の女房役を務めた。
2004年オフには金銭トレードで自身最後の球団となる日本ハムに移籍。
1年目こそ39試合の出場に終わったが、2年目の05年には96年以来では最多となる79試合に出場、8月27日には当時ルーキーだったダルビッシュ有とバッテリーを組んでいる。
06年以降は先発出場こそ減少するも、クローザーを務めていたマイケル中村と相性が良く抑え捕手として出番を確保。3年間で101セーブをあげた絶対的守護神を支えた。
07年以降は兼任コーチとしてチームを支える
07年以降は兼任コーチに。09年にはリーグを代表する投手へと成長したダルビッシュの登板試合で再び先発マスクをかぶっている。
29年目となった今シーズンは4月15日のロッテ戦で9回の守備に就き、クロッタのボールを受けたのが唯一の出場となっている。
06年のスピードガンコンテストで146km/hを記録するなど代名詞の鉄砲肩は晩年も健在だった。この肩が捕手としての寿命を延ばしたことはもちろんだが、最大の武器は80年代、90年代、00年代、10年代、4つのディケードに渡って数々の名投手の球を受けてきた経験だったのではないだろうか。
ポストシーズン終了後に今後の身の振り方を表明するという中嶋。これからはぜひ指導者一本で、その経験を後進の選手たちに伝えていってほしい。
■中嶋聡(2015年9月29日試合終了時)通算成績
1549試合 3473打数804安打、55本塁打、349打点、打率.232