陽岱鋼、王柏融を起用、「Z3」の愛称…台湾の野球ファンからも愛された日本ハム・栗山監督
2021/10/19
北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督が16日に、今季限りで退任することが発表された。10年間ファイターズを指導し、日本一の栄冠にも輝いた名監督退任のニュースは、台湾の野球ファンの間でも話題となった。
栗山監督はこの10年間で、台湾の野球ファンにとって最も馴染み深い監督と言っても過言ではない。
陽岱鋼(現読売ジャイアンツ)外野手が日本ハムで活躍していた頃、台湾のテレビ中継も長期間にわたってパ・リーグと契約を結び、その中でも日本ハムのゲームは頻繁に放送されていた。特に2012年から2016年の5年間は、陽の活躍もあって、栗山監督の台湾での知名度も一気に上がった。
栗山監督のあふれる笑顔や、選手を励ます様子などは、当時から台湾のファンに愛され、ネット上でもよく「Z3」(栗山の中国語音読「リーシャン」と似ている当て字)の愛称で親しまれた。
2018年のシーズンオフには、台湾プロ野球(CPBL)の四割打撃王である“大王”こと王柏融が日本ハムに入団。当時、筆者も札幌ドームでの入団会見を取材したが、一番印象的だったのは、「王柏融選手の夢を叶えさせたいし、同時に再びファイターズが常勝軍団になってほしい」という発言であった。球団のことだけではなく、選手個人の意思も尊重するところに、王とも二人三脚で歩んでくれそうだという安心感があった。
しかし、1年目の王柏融は、NPBの慣れない環境やレベルの差を埋めるために、苦労した面も少なくなかった。2年目もコロナ禍により調整が遅れ、3年目の現在も、なかなか状態をキープできずにいる。それでも、栗山監督は繰り返しチャンスを与えてくれた。王にとっては、日本の恩師とも言える存在だろう。
17日には王柏融が今季第9号を放った。だが、シーズンが終わったら3年契約も終了する。この先、「日本の恩師」である栗山監督の恩に報いる活躍ができるだろうか。
栗山監督、10年間お疲れ様でした。
鄭仲嵐