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秋山翔吾、マートン、イチローから見えてきた“安打製造機”の条件

埼玉西武ライオンズの秋山翔吾が1日のオリックス・バファローズ戦で、NPBのシーズン最多安打記録を更新した。これまで1位だったマートンの2010年、2位だったイチローの1994年のデータを比較してみると、いろいろな共通点や相違点が出てきた。

2015/10/02

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秋山、マートンは最多安打も首位打者になれず

 埼玉西武ライオンズの秋山翔吾がシーズン最終戦で、NPBのシーズン最多安打記録を更新、記録を216本とした。

 これまでの最多記録は2010年阪神のマット・マートンの214安打。そして次に1994年オリックス、イチローの210安打と続く。

 3人の記録達成年のデータを「成分分析」して、どんな打者が“安打製造機”に向いているのか共通点や相違点を探ってみた。

1)基本データ 丸数字はリーグ順位

秋山翔吾 2014年 143試合602打数216安打 打率.359【2】 出塁率.419【2】

マートン 2010年 144試合613打数214安打 打率.349【3】 出塁率.395【4】

イチロー 1994年 130試合546打数210安打 打率.385【1】 出塁率.445【1】

 3人とも全試合出場。多くの安打を打つためには1試合でも多く試合に出るのは大前提だ。

 マートンは最多安打を記録しながら首位打者になれていない。さらに出塁率でも1位になっていない。
 今年も、秋山がマートンと同じ形になることは決定的だ。

 どちらも2位にダントツの差をつけて1位だったイチローとは大きな違いがある。

2)出場と打席に関するデータ

秋山翔吾【打順・1番143試合】
打席数675 1試合あたりの打席数4.72

マートン【打順・1番88試合、3番56試合】
打席数668 1試合あたりの打席数4.64

イチロー 【打順・1番115試合 2番14試合 3番1試合】
打席数616 1試合あたりの打席数4.74

 安打を量産する上で、打席が多く回ってくる上位の打順で打たなければならない。3人とも1番を多く打っている。

 リーグ平均の1試合あたりの打席数は4.2前後、3人とも平均よりも2試合で1打席ほど多く打順が回っていたということになる。。

3)出塁数(安打+四球)と安打の比率

秋山翔吾 出塁数276(216安打60四球) 安打比率78.2%

マートン 出塁数261(214安打47四球) 安打比率82.0%

イチロー 出塁数261(210安打51四球) 安打比率80.5%

 今季のパリーグ出塁率1位の柳田悠岐の安打比率は67.4%(182安打、88四球)、セリーグの1位の山田哲人は69.7%(180安打78四球)。3人の安打製造機より10ポイント前後安打比率が低い。

 強打者は投手が警戒するので四球も多くなるが、安打数を増やすためには、四球は少ないほうが良い。3人とも積極的に打ちにいくタイプと言えるだろう。

※柳田・山田の数字は、1日終了時

1 2


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