秋山翔吾、マートン、イチローから見えてきた“安打製造機”の条件
埼玉西武ライオンズの秋山翔吾が1日のオリックス・バファローズ戦で、NPBのシーズン最多安打記録を更新した。これまで1位だったマートンの2010年、2位だったイチローの1994年のデータを比較してみると、いろいろな共通点や相違点が出てきた。
2015/10/02
内野安打の多いイチロー、三塁打が多い秋山
4)足との関係 内野安打、盗塁
秋山翔吾 内野安打18 内野安打率8.33% 盗塁17 盗塁死17
マートン 内野安打18 内野安打率8.41% 盗塁11 盗塁死6
イチロー 内野安打33 内野安打率15.71% 盗塁29 盗塁死7
はっきりと違いが出ている。イチローは足で稼いだ安打の比率が他の2人の倍近い。
他の二人も盗塁数は二ケタを記録しており、足は遅くはなかったが、内野安打を荒稼ぎして打率を上げたとは言えない。
5)安打の種類別の比率
秋山翔吾 単打161(74.5%)二塁打31 三塁打10 本塁打14
マートン 単打159(74.3%)二塁打35 三塁打3 本塁打17
イチロー 単打151(71.9%)二塁打41 三塁打5 本塁打13
3人ともに二塁打が本塁打よりも倍以上多い。典型的な中距離打者の数字だ。
ちなみに、秋山は単打が一番多く、他の2選手よりも二塁打は少ないが、三塁打が圧倒的に多い。外野深く打球が到達したケースは足を活かして三塁を陥れている。
意外なことに単打はイチローが最も少ない。内野安打を数多く打つ一方で、二塁打は最多と興味深いデータが出た。
チームの打線自体が活発
安打を量産するには上位の打順でフル出場し、あまり四球を選ばないで積極的に打っていくほうが良い。タイプとしては中距離打者、さらに足が速いほうがなお良いということになろうか。
ちなみに2015年、秋山の西武はチーム打率.263でパリーグ2位(順位は1日終了時)、2010年のマートンの阪神はチーム打率.290でセリーグ1位、1994年、イチローのオリックスはチーム打率.285でパリーグ2位だった。
活発な打線によってより多くの打席が回ることも前提条件だと言えよう。