【プロ野球評論家・与田剛の眼】内容よりも結果にこだわったソフトバンクの執念とプライド―失敗から切り替えサヨナラへ導いた松田の一打
クライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージは、セ・リーグはシーズン2位の阪神が巨人に4連勝し、パ・リーグはソフトバンクが日本ハムとの激闘を制し、それぞれ日本シリーズ進出を決めた。勝負のポイントになったのはどこだったのか。セパともにプロ野球評論家の与田剛氏に解説してもらった。
2014/10/21
ファイナルステージは日本ハムのペースだった
1勝のアドバンテージがある中、第1戦に勝利することができた。
この勝利というのは、1勝以上に勝ちのあるものだったと思います。
正直、ファイナルステージは日本ハムのペースで進んでいたと思います。
4番である中田翔の活躍や、何度もピンチを救った高い守備力。それに若手選手のはつらつとした動きなど、敗れはしましたが日本ハムの目指す野球というものをしっかりと見せつけることができた。
これは私の個人的な感想ですが、そんな強敵相手に土俵際まで追い詰められながら踏ん張り、最後は押し切った。
そこにソフトバンクの強さがあったように感じています。
その戦いを象徴しているのが第1戦でした。
内容よりも結果にこだわったソフトバンクの執念とプライドが勝利を呼び込んだのだと思います。
与田剛(よだ・つよし)プロ野球解説・評論家
NTT東京を経て、89年にドラフト1位で中日ドラゴンズへ入団。1年目からリリーフで活躍し、新人王と最優秀救援投手に輝く。その後は故障に泣かされ、00年に現役引退。引退後は、NHKのサンデースポーツのキャスターや社会人野球、女子チームのコーチなどを経験。2009年、2013年のWBCでは日本代表の投手コーチを務めた。