【2014年フェニックスリーグ通信】千葉ロッテ浮上のきっかけは、一大勢力「89年組」の奮起にあり!
今季、開幕5連敗とつまずき、4位に終わった千葉ロッテ。主将・鈴木大地を筆頭にこのチームは1989年生まれが10人おり、一大勢力となっている。その中の一人が唐川侑己だ。毎年成瀬善久に続く、右の生え抜きエースとして期待されているが、特に今年は先発でなかなか役割を果たせず、苦しい1年を過ごした。唐川のみならず来季千葉ロッテ浮上には、「89年組」の活躍が不可欠だ。
2014/10/24
Hideaki Ujihara
唐川のフェニックスリーグ参加は復活のきっかけになるか?
ここ近年は、入団当初ほどの勢いに陰りを見せている。それは、おそらく、本人も感じているところだろう。では、本人は、現在の課題をどう感じているのか。
「自分が思っている課題と周りで見ている人(監督やコーチ)の課題に差があると感じているんですけど、自分の思っている課題は今やるべきときじゃない。ランナーを置いてのピッチング、クイックなどのピッチャーとしての細かい部分を修正しないといけないとチームからは指摘されているので、その部分に関しては、(そう)言われないように、クリアできるようにしておきたい」
正直なところ、唐川がこのフェニックスリーグに参加していることに、筆者は、疑問に思っていた。今の唐川は、試合で投げることよりも、身体のリフレッシュとメンテナンスに費やすべきと思っていたからだ。
だが、今回同期の多くがこのリーグに参加しているということを考えると、同期の仲間たちと再出発を図る意味において、良い機会なのかもしれない。
「同じ学年となるとお互い刺激を受けるし、その中で切磋琢磨してやっていくのが一番だと思います。食事した時には、みんなで活躍できたらいいなって話をしたりしますけど、高いレベルで意識しあって切磋琢磨したいというのはありますね。幸い、嫌なやつもいないんで(笑)、一生懸命、みんなで頑張ろうという思いが強いです」
彼らにとっては、ライバルであり、仲間であるという絶妙なバランス感覚が取れているのだろう。大卒3年目の変則左腕・中後が「同期の存在が原動力」と話していたが、この世代の良いところかもしれない。
唐川の復調、さらには唯一、一軍経験のない植松がそこに割って入ることができれば、今季は沈んだチームを上に押し上げる大きな力になるかもしれない。
植松は言う。
「(高校時代に対戦した中田とは)やってみれば楽しいと思いますけど、今は、そんなことは意識しないですね。というより、自分がその段階にないというのが正直なところです。今は、140キロくらいのストレートですけど、しっかりとストライクを取れる球にはなってきているので、コーナーを突いたピッチングをしっかりできるようにしていきたい。同期の中に入って、僕も活躍したい気持ちが強いです」
右の先発が唐川と阿部、左は藤岡と植松。右のセットアッパーを吉原が務め、左は中後。クローザーは益田。打線のほうは、キャプテンの鈴木大地が1番、3番・高濱、4番が井上となれば、まさに夢のような話だ。
千葉ロッテが誇る「89年組」。
十人十色の活躍が実現すれば、あと4、5年のロッテは、常勝チームを築けるはずである。