長距離砲・ヌニエス加入で競争激化。高濱、清宮はポジション争奪戦に勝ち残れるか【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#160】
来季、ファイターズにレナート・ヌニエスが加入する。MLBで実績十分のスラッガーだ。新庄監督も期待する助っ人は一塁での起用が見込まれており、そうなれば、高濱祐仁、清宮幸太郎を交えたポジション争いが勃発する。
2021/11/14
ヌニエス加入でチームの弱点はクリア?
国頭秋季キャンプに注目が集まる新庄ファイターズだが、既に来季のロースターの目玉は決まっている。ベネズエラ出身の右の強打者、レナート・ヌニエスだ。MLB通の読者にはもしかすると「レナト・ヌニェス」表記のほうがしっくり来るかもしれない。まだ27歳の若さ。2016年アスレチックスでMLBデビュー。19年、オリオールズで自己最多の31ホームラン&90打点。今季はデトロイト・タイガースで元三冠王カブレラの代役を務めていた。昔流の言い方をすれば「バリバリの現役大リーガー」というところだ。
ファイターズのウイークポイントは明確だ。長打力がない。21年シーズンのホームラン数を比較すると、パ・リーグ最多のオリックスが133本、次いでソフトバンク132本、ロッテ126本と続く。ブービー賞は楽天で108本だ。では、ファイターズは何本だったか? ひとケタ少ない78本なのだ。これは相手投手からすると怖さがない(ちなみに12球団最少は中日の68本)。そもそもホームラン打者タイプがレアード移籍後、中田翔くらいしかいなかった。その中田も無償トレードで巨人に移った。大田泰示も(21年シーズンは大不振を極めたが)本来は中距離砲だろう。補強ポイントはハッキリしている。主軸が打てるホームラン打者だ。
それがレナート・ヌニエスというわけだ。噂では更に外国人打者の補強もあり得るというが、王柏融の契約延長が決まり、枠の問題もある。シーズン終盤、意外性のバッティング(とキャラクター)で人気を博したロニー・ロドリゲスの動向も気になる。まぁ、何にしてもホームランの数が50本くらい足りないのだ。50本の差を埋めるとなると大ごとだ。
では、ヌニエスが仮に30本ホームランをかっ飛ばしてくれるとする。4番バッターにおさまるかどうかはわからないが、そんな貴重な戦力、スタメンからは外せない。と、どうしても押し出される形でスタメン落ちする選手が出るのだ。守備位置を考えるとヌニエスは三塁手経験があるようだが、まさか期待のホープ野村佑希と競合はない。どうも一塁手で使うようなのだ。即座に2人の選手の名前が浮かぶ。
高濱祐仁と清宮幸太郎。
これは、わかりやすく言えば「ポスト中田」のポジション争奪戦だ。