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真中采配が的中。ヤクルトVの要因は「リーグ一の救援陣」と「山田・川端・畠山の打順変更」【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はヤクルト優勝の要因についてだ。リリーフ陣の奮闘と打線を組み替えた采配が的中したことがデータから見えてくる。

2015/10/03

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14年ぶりのリーグ制覇

 2015年大混戦のセリーグを制したのはヤクルトだった。2日、神宮球場で行われた阪神戦、延長11回裏に雄平のタイムリーで2-1のサヨナラ勝利。2001年以来14年ぶりのリーグ優勝を遂げた。

 監督就任1年目での優勝は、今年のパリーグを制した福岡ソフトバンク・ホークスの工藤公康監督に続いて16人目となる。
 また前年セパ通じて前年最下位からの優勝は、2001年の近鉄以来14年ぶり5球団目だ。

 ヤクルトは昨オフに大引、成瀬らFA選手の獲得に成功したものの、下馬評は決して高いとはいえなかった。よくて3位でクライマックスシリーズ進出と評する専門家が多かった。
 しかし、今年のヤクルトは投打で大きな進化があった。

 データを見ると、勝因が見えてくる。

飛躍的に改善された救援投手陣の成績

 まずは投手陣からだ。
 セリーグ、過去3年の先発、救援に分けた投手成績を見ていこう。

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 今季のセリーグは前年よりも大きく投高打低に振れている。

 防御率の年度別の推移はあまり意味がない。リーグでの順位に注目していただきたい。
 ヤクルトの先発投手陣の防御率は、2013年から5位、6位、5位と下位を低迷している。
 今季も52勝54敗と負け越している。防御率は向上しているが、それはリーグ全体が投高に振れたことが大きい。先発投手陣の数字を見る限り、広島・巨人・阪神と大きな開きがある。

 何よりも目を引くのが救援投手陣の防御率だ。6位、6位だったが、今季1位に大躍進した。
 22勝10敗と大きく勝ち越し。セーブ数41はリーグ3位だがホールド数は102でトップ。今季のヤクルトは救援投手陣の数字が大幅に改善されたのだ。

 ではその救援投手陣を見ていこう。2014年と2015年、セーブ、ホールドを挙げた投手だ。

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 2014年はセーブを記録した投手がバーネット以下6人もいる。バーネットが33試合しか登板できず、他の投手が穴埋めをしていた。

 ホールドを記録した投手も先発の石山、八木も含めて12人もいた。クローザー、セットアッパーが固定できなかったのだ。

 しかし2015年はバーネットが41セーブのうち40。
 そして昨年は1人もいなかった20ホールド以上を記録した投手が3人。
 新加入のオンドルセクが抜群の働き。これに先発からリリーフに回ったロマン、秋吉も続いたことで、万全の体制が整備された。

 先発投手陣が何とか踏ん張り、リードが少なくても救援投手が出る展開になれば絶対に強い。
 これが、今年のヤクルトの特色だったのだ。

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