復活を期す『左のおかわり』。埼玉西武ライオンズ・坂田遼の覚悟
「左のおかわり」と称される強打者、埼玉西武ライオンズの坂田遼は、ここ数年レギュラーの座をつかみかけながら、脱臼による怪我で不本意なシーズンを送っている。坂田がいない間に木村など、続々と新しい選手が現れてきた。しかし、坂田の強打は、ライオンズ浮上に絶対に欠かせない。フェニックスリーグで実践感覚を取り戻しながら、来季の逆襲を誓う。
2014/10/27
Hideaki Ujihara
フェニックスリーグをきっかけに逆襲を誓う
「1年間、野球をやっていないんで、リハビリの意味も込めて、来季に向けてしっかりイチからやり直していこうと思っています。試合には、毎回出させていただいていますので、一から出直していく気持ちです。プレーをしていなかった分、ちょっとしたことの感覚がずれているので、ここでしっかり取り戻したいなと思っています」
バッティングは、感覚に頼らざるを得ない部分がある。投手との、18.44メートルの攻防を1年間経験していなかったことは、坂田にとって、これまで培ってきたものの一部をそぎ落とすことになったといいすぎではない。
坂田も「対左投手の感覚とか、逃げていく球が見にくいとか、すごくある。これは、自分でも思った以上にあったんで、その感覚を取り戻したい」と話している。
もっとも、坂田にとって苦しいのは、その感覚を失ったことだけではない。昨季は、ほぼレギュラーの座を手中に収めつつあっただけに、今季の離脱は大きな痛手だった。
「今年は、ステップアップするつもりでいたんですけど、また脱臼をしてしまったんで、本当に悔しかった。その抜け方が普通のプレーで起きたことだったんで、もうダメだなと。それで手術したんですけど、1年を棒に振ってしまった」
坂田がいない間に、右翼手はたくさんの選手が台頭した。そのうちの一人が俊足と長打力が売りの木村であり、代走・守備固め要因からの脱却を図る斎藤だった。
ホーム最終戦では、本来は一塁手の梅田尚通が右翼手で出場し、プロ初の本塁打を放ち、その存在感を見せつけている。
当然、坂田は、ライバルの台頭を感じている。それだけに、いわば、このフェニックスリーグは、坂田にとって、逆襲を期す機会になるに違いない。
「(たくさんの選手が台頭してきているには)感じますけど、怪我をしてしまったのは自分なんで、それをどう思ってもしょうがないかなと思います。今は、自分が1番下だと思ってやっているので、ここから這い上がるだけです。しっかり、負けないように頑張りたいと思います」
試合に出てナンボの世界。坂田の復活を心待ちにしている。