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「ブレない」「お母さん的存在!?」選手とコーチが語る、Vへ導いた真中監督の実像【新・燕軍戦記#14】

14年ぶりの歓喜──。史上まれに見る混戦を制し、東京ヤクルトスワローズが2001年以来のセリーグ制覇を成し遂げた。就任1年目でチームを優勝に導いたのは、現役時代からヤクルト一筋の真中満監督。その人となりを選手、そしてコーチに聞いた。

2015/10/04

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杉村コーチ「今年の優勝は『真中マジック』」

 真中監督を支えるコーチ陣は、どう見ているのか? まずは、現役時代から公私ともに仲が良く、今年は作戦兼内野守備走塁担当として『参謀』を務める三木肇コーチ。

「うーん……お母さんみたいな感じ?(笑)なんというか、うまくいってもいかなくても『それは仕方ないんだよ』って見守ってくれる存在かな。僕らとしては安心感もあるし、なんとか力にあってあげたいとも思うしね」

 常に笑顔を絶やさず、気さくに声をかける姿は選手にとっても母親──いや、兄貴分といった感じだが、優しいだけではない。ファームでも真中監督のもと外野守備走塁コーチを務め、現在は一軍の外野守備走塁を担当する福地寿樹コーチは言う。

「個人を尊重してもらえるんで選手もやりやすいと思いますけど、その代わり厳しいですよ。『自主性の意味をわかってるよね? 好き勝手にやることじゃないし、できなかったらわかってるだろ』っていう厳しさもあります」

 興味深いのは、伊藤智仁投手コーチの証言だ。

「野手出身の監督とは思えないないほど、ピッチャーのことをよく勉強してるなという感じはしますね。リリーフのことも気にかけてくれて、コンディション的なところはあんまり興味を持たない方が多い中で、そういうところもよく気遣ってくれてすごく助かりました」

 決してブレることなく己の目指す野球を貫きながら、柔軟な考えも持ち合わせている。選手を温かく見守り、自主性を促す一方で厳しさも忘れない。自身は野手出身でありながら、課題と言われていた投手陣にもしっかりと目を配る──。選手やコーチの話から、こんな監督像が浮かんでくる。

「人望の厚い監督。たぶん、みんなこの監督を胴上げしたいと思うような監督です」

 そう言ったのは野村克則バッテリーコーチだが、その思いが今季141試合目にして結実した。

「今年のこの成績の一番の理由は真中サンですよ。真中マジックですよ」

 背番号31の「真中選手」を指導したこともある杉村繁チーフ打撃コーチの言葉が、すべてを物語っていた。

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