巧打者多し。関本、小窪、福浦、矢野ら「代打」一振りに懸ける職人【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は代打の切り札についてだ。
2015/10/04
ベテラン勢が結果を出す
プロ野球の「代打」というと「一振り稼業」という言葉が浮かんでくる。
プロ中のプロという印象があるが、実は「代打専業」の選手は少ない。
登録28人、ベンチ入り25人の一軍枠の中で、チーム事情によって代打起用される選手が多いのだ。
今季の代打成績を見ていこう。
代打の起用回数は、セのほうがパよりも多い。
DH制がないセでは、投手の交代機に代打を送ることが多い。一方パはこれがない。このことが起用数の差になっている。
まずはパリーグ、代打起用回数15回以上の上位ランキングだ。
楽天の牧田が1位、今季は主に守備固めや代打で起用された。
7月10日から代打で4試合連続安打。しかし7月後半に登録抹消、9月中旬に再登録された。
竹原直隆はロッテ時代から和田キラーとも呼ばれ、左投手に対して強い。
オリックスに移籍してからは4番も経験した。今季前半は活躍したが夏場に一、二軍を行き来し、8月上旬に登録を抹消された。
一塁を主に福浦和也二人で守る形となったベテランの井口は今季、打撃不振に悩まされたが、代打になると3割以上の成績を残している。
今季、打撃ではやや元気がなかった大谷翔平も、7月に代打起用になってから2本塁打7打点の好成績だ。