巧打者多し。関本、小窪、福浦、矢野ら「代打」一振りに懸ける職人【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は代打の切り札についてだ。
2015/10/04
過去3年の代打ランキング
次に過去3年の代打ランキングを見ていこう。
2014年の両リーグランキング。起用回数はパは15、セは20、以下も同様だ。
ソフトバンクの吉村と、広島の鈴木誠也が代打の首位打者。
ベテランの起用が多い中、鈴木誠也や森友哉のような若手が活躍することも多い。二人は代打で活躍してレギュラーへの足掛かりを作ったといえよう。
2013年はどうだったか。
ソフトバンクのペーニャ、巨人の矢野が首位打者。ペーニャのように外国人選手が代打で活躍することもある。矢野は数少ない「代打の職人」だ。
最後に2012年だ。
ロッテの福浦と、巨人の石井が首位打者。福浦は長くロッテの正一塁手として活躍し、ここ数年は代打での起用が多かったが、今季は再び一塁での先発が増え、2000本安打へ着実に近づいている。
こうして見ていくと、代打のランキングは毎年のように目まぐるしく変わっているのがわかる。「代打専業」で長期間働くのは難しいのだ。
多くの場合、レギュラー前の若手や、レギュラーを外れたベテラン、外国人が短期間、代打に回ることが多いのだ。
そんななかで、「本物の代打稼業」といえる選手も少数ながらいる。
4人挙げておこう。