「見せる意識革命」生田目、来季こそ一軍定着を。ツイストパーマもエステも飛躍のきっかけに【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#161】
松坂大輔の引退試合でプロ初勝利をあげた生田目翼。その投球内容は来季の活躍を期待させるものだった。ヒーローインタビューでは帽子なしのツイストパーマを披露。また、契約更改の席で新庄ビッグボスの「身だしなみ指令」を受けて、美容エステに通い始めたと明かした。
2021/11/27
えのきどいちろう
来季へ繋がる生田目のプロ初勝利
ファイターズは契約更改の時期を迎えている。(今年は東京2020の関係で競技日程が後ろ倒しとはいえ)ヤクルトとオリックスがこれほど盛り上がる日本シリーズを繰りひろげてるときに、それを眺めるしかないという寂しさである。残り10球団のファンは皆、思っただろうけど、日本シリーズ出たいなぁ。自分のひいきチームのあんなしびれる試合が見たい。
スポーツ紙を開いてもハム関係の記事は少ないのだけど、生田目翼が20万円減の年俸900万円でサインというニュースを見つけた。但し、記事の本筋は生田目が「新庄身だしなみ指令」を受けて美容エステに通い始めたというキャッチーな内容だ。新庄ビッグボスは自身のインスタに「個性ある髪型、服装、発言、大歓迎!! ただし、痛んだ髪、汚い肌、汗臭さ、ダサい服、全ての身だしなみが出来ない選手は2軍行きだよ」(「傷んだ髪」とすべきだろうが、原文ママ)とコメント投稿し、話題を呼んでいる。生田目のエステはそれにからめた記事展開なのだ。
ちょうどいい。生田目翼について語ろう。
実は今シーズン、生田目には二重の意味で驚かされた。10月19日の松坂大輔引退試合だ。メットライフドーム全席完売の注目試合、西武の先発はもちろん松坂、ハムの先発は生田目だった。松坂の投球に関しては多くの人が言及してきたからもう付け加えることがない。日本野球をけん引してくれてありがとうと言うだけだ。あれほどの怪物がまるで始球式みたいな棒球を投げてしまうのかとショックはあったけれど、その背負ってきたものの大きさをあらためて感じ、胸が詰まった。
それよりも今日書きたいのは生田目の好投についてだ。球威もあり、コンビネーションもあり、何より気持ちがこもっていた。聞けば野球を始めたリトルリーグ時代、松坂大輔に憧れていたという。150キロ台の速球が小気味よく決まり、なぜこんないいピッチャーがこれまで1軍で結果を残せなかったのだろうと不思議に思えた。6回1失点(1被安打)でプロ初勝利だ。あの日は普段よりメディアの数が多かったから、生田目翼の名を覚えてもらう機会になったんじゃないか。
僕はこの日、文化放送のゲスト出演者だったから、松坂登板時は放送席、それ以外はネット裏の文化放送シーズン席で観戦した。つまり、生田目のプロ初勝利を至近距離で見たのだ。こりゃ来季の飛躍に大期待だぞとウヒョウヒョ状態だ。エポックメイキングな「平成の怪物引退試合」も、日ハム馬鹿の目線では一転「生田目翼ショー」になってしまう。本当にナイスピッチングだった。これが驚きの一番目。
二番目はヒーローインタビューだった。プロ初勝利なので生田目がヒーローインタビューに呼ばれた。ビジター選手のヒロインなので場内演出は最小限、ダグアウト付近で粛々とやる。が、そのときの生田目の髪型に僕はおおおっとなった。初勝利の喜びや2軍コーチへの感謝を語っているが、内容が入って来ない。髪型が理由だった。野球選手は帽子をかぶっているから案外ヘアスタイルの印象が希薄だったりする。まして生田目は今季、2軍暮らしだ。「帽子ありの生田目」すらなかなかお目にかかれない。「帽子なしの生田目」となると更に希少性が高い。
メットライフドームのヒロインに「帽子なしの生田目」がいた。僕はおおおっと声を挙げた。僕の持ってる語彙で表現すると「スケボーの解説の人の髪型」だった。「ゴン攻め」とか「ビッタビタ」とか言う人のイメージ。生田目は社会人出身でマジメそうな印象だったけど、いつの間にか攻めたヘアスタイルになっていた(!)。
あれはツイストパーマというものらしい。「スケボーの解説の人」でなければ「ミュージシャン風」かなぁ。ガタイがいいからドラムス担当だろうか。僕は率直に似合ってると思った。そして帽子なしでヒロインのカメラ前に立ったということは、ファンに見せているのだろうと思った。まだ新庄ビッグボス就任が取り沙汰される前、生田目は自主的に「見せる意識改革」を実行していたともいえる。
で、話はすっ飛ぶようだけど、見た目問題である。