「見せる意識革命」生田目、来季こそ一軍定着を。ツイストパーマもエステも飛躍のきっかけに【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#161】
松坂大輔の引退試合でプロ初勝利をあげた生田目翼。その投球内容は来季の活躍を期待させるものだった。ヒーローインタビューでは帽子なしのツイストパーマを披露。また、契約更改の席で新庄ビッグボスの「身だしなみ指令」を受けて、美容エステに通い始めたと明かした。
2021/11/27
えのきどいちろう
「見た目」だけですべてを評価できない
僕は以前、野球選手の見た目問題についてラジオで討論したことがある。相手は高名な社会事象の評論家だった。2013年、当時ボストン・レッドソックス所属だった上原浩治がリリーフ投手としては球団初のシーズン100奪三振を達成する等、大活躍したのだが、それを評論家氏は「今シーズン、ヒゲをさっぱり剃ったから」だという言い方をした。前年までモミアゲを長く伸ばして映画『バッファロー66』っぽかったのだが、「あれを見て、えのきどさんは上原はもう終わったと思いませんでしたか?」と尋ねられた。こう、何というのか、高校の部活みたいな発想だった。モミアゲが長いとふざけている。ヒゲをさっぱり剃り落とすとマジメである。
僕は「モミアゲ上原をダメになったなんて1秒も考えたことない」「ここ数年、成績不振だったのは右ひじの故障もある」「そもそも上原のレッドソックスは今、あごヒゲブームであり、野手はみんなZZトップの一歩手前くらいヒゲぼーぼーである」等の反論を試みた。これは今も考えが変わらない。野球選手は個性を打ち出して構わない。自己表現して構わない。上原のピッチングには野球の技術的な評価を下すべきであり、「見た目」で終わったの始まったの言うべきじゃない。
だけど、世間の目はそうなんだなぁと思った。生田目は負けが込めば、ツイストパーマでチャラチャラしているとか何とか言われるのかもしれない。
僕は新庄流の「個性ある髪型、服装、発言、大歓迎!!」の方針に賛成だ。生田目の「スケボーの解説の人の髪型」も賛成だ。何といってもキャラが立つ。プロってそういうことじゃないかなと思う。ちょっとニュアンスが異なるけれど、新日本プロレスの戦略にも通じるものがある。
そして僕は生田目をあくまで野球の技術的な部分で評価したいと思うのだ。来季はずっと1軍で働いてほしい。ツイストパーマもエステも彼が前に踏み出すきっかけになればいい。