都市対抗でドラフト指名組をチェック。水野と上川畑にレギュラーのチャンスあり【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#162】
今年のドラフトでファイターズは3位に水野達稀(JR四国)を、9位の上川畑大悟(NTT東日本)の2人の社会人内野手を指名した。ともに先日まで行われた都市対抗野球に出場、1年目から一軍の戦力としてぜひ活躍してほしい選手たちだ。
2021/12/11
新生ファイターズ、横一線の二遊間争いに
そこへ行くとNTT東日本の上川畑大悟はいっぱい試合を見せてくれた。準決勝で東京ガスに敗れるまで4試合も見られた。おかげで入団発表は上川畑1人だけ延期だ。準決勝は12月8日だったから1か月後は新人合同自主トレをやってる計算だ。なかなか画期的なことじゃないだろうか。僕の知るかぎり「最も遅くまで前所属チームで野球をやってたファイターズ選手」になると思う。
もちろん1回戦のトヨタ自動車戦から見に行った。上川畑は水野より更に小さい167センチ、70キロ。タイプ的には「守備の職人」だ。日大時代、1学年上の京田陽太(中日)と二遊間を組んだ選手。守備だけなら今すぐでもプロのショートが務まるという評判だった。
それが意外や意外、今大会通じて守備のほうは2失策、バッティングは12打数5安打(.417)と結果を残した。特に準決勝・ホンダ熊本戦の5回1死満塁のチャンス4で放った右中間を破るタイムリー2ベースは気分爽快だった。コンパクトに振る意識が高い。水野の「吉田正尚」に対して、上川畑は同じオリックスでも福田周平のイメージだろうか。
失策はあったもののやっぱり守備の安定感はバツグンだった。例えばの話、谷内亮太と二遊間を組んだりしたら鉄壁の内野が出来上がる。守備固めなどで起用されるケースが十分考えられるのだ。
水野も上川畑も1軍で見たい選手だ。本人もルーキーイヤー、2軍でくすぶってるつもりはないだろう。都市対抗の熱戦のなかで、ファイターズファンは来季の鼓動を感じる。中島卓也も石井一成も契約更改後のインタビューで「来季はフル出場を目指す」と明言していた。中島と石井はショートの定位置をめぐってライバル関係にあるが、そこに水野、上川畑が割って入るのだ。ドラフトで社会人内野手を2人指名して、中島も石井も危機感を持ったと思う。それは渡邊諒、佐藤龍世も同じことだ。
新庄ビッグボスは全員横一線を明言しており、過去の実績にとらわれない方針だ。それでなくとも新監督というものは、ニューフェイスを好む。水野、上川畑にも大いにチャンスがあると思う。
つまり、僕らファイターズファンは都市対抗に夢を見たのだ。12月の第2週まで野球の夢が見れるなんて何てありがたいことだろう。
追記 球団は12月10日、前サンフランシスコ・ジャイアンツ所属のアリスメンディ・アルカンタラの加入を発表、二遊間は更に激戦区になりそうだ。