CSファーストステージ開幕。公式戦残り10試合の勝率が、勝負の分かれ目?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は10日から始まるクライマックスシリーズについてだ。
2015/10/10
勢いの差は明白
次にセリーグだ。
セリーグのシーズン最終戦後にクライマックスシリーズ進出が決まった阪神は、気勢は上がらない。そもそも進出が決まったのも広島が負けたことによる「たなぼた」だったが、この時点で和田豊監督の退任も決まっており、盛り上がりに欠けた。
ポストシーズンの戦い方を知っている巨人は、クライマックスシリーズ進出を決めても手綱を緩めていない印象だ。
阪神は鳥谷が孤軍奮闘
次に両チームのこの期間の主要打者の成績はどうだろうか。
巨人は、ここへきて長野、亀井、片岡らレギュラー選手の状態が上がってきた。そして大舞台に強いベテランの井端が好調なのも心強い。坂本・阿部の不調が気がかりだが、彼ら2人がどこまで復調するか。先に上げた好調の選手がどこまでカバーできるか注目だ。
一方の阪神は、鳥谷が孤軍奮闘という状況だ。ゴメスも、退団が濃厚とされるマートンもバットが湿っている。もともと貧打だったが、この期間も好調な選手がほとんどいない。こういうときこそ、若手生え抜きの江越、梅野などを思い切って起用すべきではないか。
リリーフ陣に差があり
最後に主要投手の成績だ。
巨人は投手陣が万全。今季阪神に強いマイコラス、ポレダ、菅野は誰が投げてもよいという状況だ。リリーフ陣も整備されている。マシソンもようやく安定感ある投球を見せており、澤村に続く流れが機能している。
阪神は、先発陣ではそん色がない。リリーフはベテランセットアッパーの安藤、福原がそろって息切れ。さらにクローザーの呉昇桓はクライマックスシリーズ出場も危ぶまれていると報道されており、後ろの投手の状態が厳しい。
シーズン終盤のように能見ら先発陣を中継ぎに回すこともあるだろう。
打線、投手陣とも「準備万端」の巨人と、「気勢が上がらない」阪神には差があると思われる。
もちろん勝負は水物、劣勢を予想されたチームが「生き返る」ことも多々ある。明日からの試合を注目したい。