93年同様貧打線の巨人。得点数リーグ4位以下のチームCS突破は3度のみ
チーム打率リーグワーストと低迷、93年と並ぶ球団史上最弱打線となった今年のジャイアンツ。得点数4位以下のチームがクライマックスシリーズ(以下CS)を制したケースは少なく、短期決戦では苦戦が予想される。
2015/10/10
坂本、長野の奮起に期待
得点力低下の主な原因としてあげられるのが固定できずに終わった中軸、大砲の不在だ。
3番こそ73試合で坂本が起用されたものの、4番での最多出場は阿部の53試合、5番打者には48試合の長野を筆頭に総勢10人が起用された。
打順の変更こそあれど山田、川端、畠山、雄平が不動で上位打線を占めたヤクルトとは対照的だったと言える。
個人成績を見てもチーム最多本塁打は阿部、長野の15本が最多。打点も50を超えたのは坂本(68打点)、長野(52打点)の二人だけだ。
ジャイアンツで本塁打数トップが15本を下回ったのは半世紀以上遡った1955年の与那嶺要(13本)以来。チームに70打点以上を記録した打者がいなかったのも1994年(チーム最多打点は落合博光の68)以来のことだった。
球団史上で今年と並ぶ貧打線と名高いのは長嶋茂雄の監督復帰1年目となった1993年。4番原を筆頭に中軸打者のほとんどが不振に陥り、チーム得点446、チーム打率.238はともにリーグ最下位に終わった。
ショートの川相が打撃ベストテン入りとなる打率.290、ルーキーの松井秀喜が57試合で11本塁打を放つなど個人の活躍があったのだけは救いだが、V9以降ではこの93年と今年が2大貧打線と言っていいだろう。