柳田の状態、試合間隔……OBの本間満氏が指摘、圧倒的Vのソフトバンクに死角はあるか
パリーグは、クライマックスシリーズファーストステージでロッテが2勝1敗で日本ハムを下し、ファイナルステージへ進出を果たした。圧倒的Vでポストシーズンへ臨むソフトバンクに不安要素はあるか?
2015/10/13
優勝してからファイナルステージまでの間隔に不安
圧倒的な強さを見せつけ、パリーグ史上最速でリーグ2連覇を達成したソフトバンク。まもなく始まるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルに向けて不安はないのだろうか。
「そもそもソフトバンクはプレーオフ(2004年から導入)の時からポストシーズンに弱いイメージがありますからね」
そう切り出したのは、ソフトバンクOBで現解説者の本間満氏だ。本間氏が言うように、ソフトバンクはCSの前身であるプレーオフからポストシーズンに9回出場しているが、日本シリーズ進出は2度しかない。さらに、04年、05年、10年はシーズンを1位通過しながらポストシーズンで敗退するなど、何度も悲劇を繰り返している。
※04~06年はプレーオフで勝利したチームがリーグ優勝となった。
その敗因のひとつに挙げられていたのが調整法だ。
特にシーズン1位で通過した年は、優勝決定からポストシーズンで戦うまで3週間以上空く時もあった。本間氏は言う。
「優勝後というのは、これから始まる戦いに向けて、シーズンの疲れを取ることも必要になってきますし、若手の起用も積極的になります。そのため、どうしても緊張感がなくなってきます。そんな状況が続くと、いざ真剣勝負なった時に気持ちの切り替えができず、いつしかそれが焦りへと変わっていくんです」
昨年はシーズン最終戦までオリックスと優勝を争ったため、緊張感を維持したままCSに入っていくことができたが、今年はリーグ優勝を決めたのが9月17日。CSファイナルまで1カ月近く空いてしまうことになる。
「優勝が決まってからの試合を見ていると、不安にならざるを得ません。ソフトバンク打線の象徴である柳田(悠岐)がケガで欠場したこともありますが、試合内容がよくない。工藤(公康)監督は『今のうちに負けておいたほうがいい』と言っていましたが、負け癖がついていないか不安です」
ソフトバンクは優勝決定後の16試合を5勝11敗と大きく負け越した。そして柳田がスタメンを外れた9月27日以降は1勝7敗。その柳田は、ケガの回復具合が思わしくなく、CSに間に合うかも微妙な状態だという。
「今年のホークス打線は、間違いなく柳田が引っ張っていました。内川聖一、李大浩、松田宣浩など、実績のある好打者はいるのですが、今年に関しては柳田の存在感が大きすぎます。それにディフェンス面でも、彼がいるのといないのとでは違う。柳田の状態が万全でないとなると、いくらシーズンをぶっちぎったソフトバンクといえども、苦戦を強いられる可能性はあると思います」